驚く私に、RMさんは笑いながら不思議そうに首をかしげる。
片方の眉だけクイッと上がる表情も魅力的だ。
それを聞いて彼はおかしそうに笑って言う。
一人称が「俺」になったこと、時々敬語が外れることに少しドキッとして、素のRMさんを垣間見た気になる。
急にそんな事を言われて、一瞬で顔が紅潮するのが分かる。じっと私の顔を見る彼の視線は優しいのにどこか熱っぽくて、恥ずかしくて目を逸らしたいのに逸らせなかった。
なんとか言葉を、自分が思っていることを絞り出す。
最初に見たときからずっと、なぜか惹かれるんです。
そこまでは恥ずかしくて、まだそれを言える段階ではない気がして言わなかった。
RMさんは少し驚いたような顔をして、すぐに照れくさそうに破顔する。心なしか、ちょっとだけ耳が赤い。

ああ、素敵な人だな
心からそう思った。
どれくらい見つめあっていたのか、よく分からない。
気がつくと互いの視線は外されていて、2人でなんとなく会場を眺めていた。
やがて、楽器団が優雅な円舞曲を奏で始める。何組か男女が体を寄せ合い、音に乗り始めた。ターンと同時に、いっせいに女性達のドレスがふわっと開く様子が美しい。
予想外の言葉に焦ると同時に、淡い期待が胸に生まれる。
膨らんだ期待が弾ける寸前のようだ。
まるで身体中で花がひらくような気分になって舞い上がる。こういう改まった?ときは一人称はやっぱり「僕」になるんだな、そんなとこも素敵だな、なんてことを頭の隅で考えながら。
最後の一言は余計かな、とちらっと思ったが、この夢みたいな世界と彼が、私を大胆にして大人ぶらせた。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!