第6話

Measurement
719
2025/02/12 15:35 更新
町外れの名前もないある村にて
今日もある少女は一人で遊んでいた
綺麗な金色の花畑で花冠を作ったりただただボーっとしていたり
彼女の日常にとってそれが唯一の楽しみだった
学校へ行けば陰湿なイジメ
家へ帰れば虐待行為
少し外を出歩くだけでも村の人々から罵倒される日々だった
そう、その少女は忌み子で迫害をされていたのである
時折赤く光るその眼が周りからは気味悪がられ、遠ざけられた
彼女は別に一人でいることは苦では無かった
だが何故自分がこのような目に合わなければならないのか不満でたまらなかった
ただ自分が悪いと言い聞かせ何とか耐えてきた
そんなある日…
自分の唯一の平穏が得られる場所であった花畑が学校の子供にバレてしまった
それだけならまだ良かった
だがあろうことかその子らは少女の居場所を奪い、自分たちだけの物にしようとした
少女
…ッ
少女はその子供達を何か言いたげに見つめる
子供
なに?何か文句でもあんの?
その視線が気に食わなかったのかうち一人がこっちへと歩み寄ってくる
子供
あのさぁ…お前がいるだけで迷惑なんだよ
子供
頼むからとっとと失せろ
だがその少女は決して動かなかった
子供
お前…!
子供はその少女の胸ぐらを掴む
子供
俺に逆らったらどうなるのか教えてや…
その言葉を言い切る前に少女はその子供に蹴りをいれた
子供
痛ッッ!テメェ…
子供はその少女相手に殴りかかった
だが、少女はとても強かった
周りにいた子供達も次々と少女に向かっていったが
全員返り討ちにあった
初めこそスッキリしたものの、全員を倒してから事の重大さに気付いた
自分が害のある存在だと気付いた村の人々は自分をどうするだろうか?
答えは一つしかないだろう
少女は急いで逃げだした
後ろから大人の声が聞こえる
少女は振り向くこともせずただ一生懸命走り続けた
少女
ハッ…ハッ…ここなら…
少女は山のふもとまで辿り着いた
だが急ぎすぎて足元を見る暇もなく
少女
あっ…
少女の足はツタに絡まり底の見えないほど深い穴へ落ちていった
キャラ
キャラ
っッッ!!
それは悪夢だった
紛れもなく昔の私が体験したことだった
私の身体は全身が冷や汗でびしょ濡れになっている
キャラ
キャラ
はぁ…はぁ…最近この夢は見てなかったのにな…
おそらく人間と触れ合いすぎたことによる影響だろう
思い出したくもない過去を思い出してしまった
キャラ
キャラ
この人間嫌いもいつか克服しないと…
ヒーローは何より人間と関わることが多い
今のままでは絶対になれっこない
キャラ
キャラ
ふぅ…まぁいい
取り敢えずキャラはほとんど同じ模様の服に着替え
部屋を出て下へと降りる
キャラ
キャラ
…ちょっと遅かったかな
誰もいない
おそらく授業だろう
ここにいてもどうにもならないし外に遊びにでも行こうと結論が出た
その時
相澤消太
ようやく起きたか
昨日の薄汚い男が声をかけてきた
たしかA組の担任だったか
キャラ
キャラ
ハロー…そう言えば私って授業とかはどうなんの?
相澤消太
保護の形なんだからそういうのは基本的にないはずだ…それと敬語使え
相澤消太
ただ今回は特別に体力測定を行う
まだ何も分かっていないため、基本的な情報は抑えておきたい
という理由らしい
相澤消太
ほら、さっさとグラウンドに出るぞ
キャラ
キャラ
はーい
キャラ
キャラ
まず何からやんの?
相澤消太
まずはソフトボール投げからだ
そして機械のようなボールがキャラへと手渡された
相澤消太
それじゃあ、本気でそれを投げろ
キャラ
キャラ
本気で…
キャラは悩んでいた
本気で投げるべきか、それともひ弱であると騙すべきか
キャラ
キャラ
(緑谷に伝えた通りならば私の個性は再生系で通っているはず)
とんでもない記録が出た場合不自然に思われる
かと言って今嘘を吐き、後でバレたのならばそれこそ信用を無くす
キャラ
キャラ
(…決めた)
そしてキャラは思いっきり腕を振りかぶりボールを投げた
そのボールはどんどん距離を伸ばしていき────…
ピピッ
相澤消太
699.9m…!?
キャラはあくまで個性の副次的効果だと誤魔化せば良いと思っていた
だがこの記録は致命的である
相澤消太
(入学当初の爆豪や緑谷に限りなく近い数値…)
流石に個性を伸ばした結果今の爆豪や緑谷ももっと伸びてはいるだろうが
雄英高校に入学する時点でそれ相当の実力が無ければならない
いくら後の世代になればなるほど個性が強くなって行ってると言ってもこの記録はまだ10歳近くの少女が出すにしてはあまりにも大きすぎる記録だったのだ
色々と確認したいがひとまず体力測定を全て行うことにした
キャラ
キャラ
ようやく終わった…
彼女の記録は全てにおいて高水準だった
記録TOP3である八百万、轟、爆豪にも引けを取らないほどに
相澤消太
一応聞いておくが、個性は食事による体の傷の回復なんだよな?
キャラ
キャラ
まぁ…多分その個性の影響で身体も強化されてるんじゃないかなって
相澤消太
まぁ一応筋は通っているが…身体に異常とかは無いか?
キャラ
キャラ
全然大丈夫
相澤消太
(深く考えてもしょうがないか…)
これほど強力な力だからこそ雄英高校で預けることになった
そう相澤は解釈した
相澤消太
おそらく今A組は仮免試験に向けて必殺技を作っているはずだ
授業の見学でもしておいてくれ
キャラ
キャラ
オッケー
こうして体力測定が終わり、キャラはTDLトレーニングの台所ランドへと向かった

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