町外れの名前もないある村にて
今日もある少女は一人で遊んでいた
綺麗な金色の花畑で花冠を作ったりただただボーっとしていたり
彼女の日常にとってそれが唯一の楽しみだった
学校へ行けば陰湿なイジメ
家へ帰れば虐待行為
少し外を出歩くだけでも村の人々から罵倒される日々だった
そう、その少女は忌み子で迫害をされていたのである
時折赤く光るその眼が周りからは気味悪がられ、遠ざけられた
彼女は別に一人でいることは苦では無かった
だが何故自分がこのような目に合わなければならないのか不満でたまらなかった
ただ自分が悪いと言い聞かせ何とか耐えてきた
そんなある日…
自分の唯一の平穏が得られる場所であった花畑が学校の子供にバレてしまった
それだけならまだ良かった
だがあろうことかその子らは少女の居場所を奪い、自分たちだけの物にしようとした
少女はその子供達を何か言いたげに見つめる
その視線が気に食わなかったのかうち一人がこっちへと歩み寄ってくる
だがその少女は決して動かなかった
子供はその少女の胸ぐらを掴む
その言葉を言い切る前に少女はその子供に蹴りをいれた
子供はその少女相手に殴りかかった
だが、少女はとても強かった
周りにいた子供達も次々と少女に向かっていったが
全員返り討ちにあった
初めこそスッキリしたものの、全員を倒してから事の重大さに気付いた
自分が害のある存在だと気付いた村の人々は自分をどうするだろうか?
答えは一つしかないだろう
少女は急いで逃げだした
後ろから大人の声が聞こえる
少女は振り向くこともせずただ一生懸命走り続けた
少女は山のふもとまで辿り着いた
だが急ぎすぎて足元を見る暇もなく
少女の足はツタに絡まり底の見えないほど深い穴へ落ちていった
それは悪夢だった
紛れもなく昔の私が体験したことだった
私の身体は全身が冷や汗でびしょ濡れになっている
おそらく人間と触れ合いすぎたことによる影響だろう
思い出したくもない過去を思い出してしまった
ヒーローは何より人間と関わることが多い
今のままでは絶対になれっこない
取り敢えずキャラはほとんど同じ模様の服に着替え
部屋を出て下へと降りる
誰もいない
おそらく授業だろう
ここにいてもどうにもならないし外に遊びにでも行こうと結論が出た
その時
昨日の薄汚い男が声をかけてきた
たしかA組の担任だったか
まだ何も分かっていないため、基本的な情報は抑えておきたい
という理由らしい
そして機械のようなボールがキャラへと手渡された
キャラは悩んでいた
本気で投げるべきか、それともひ弱であると騙すべきか
とんでもない記録が出た場合不自然に思われる
かと言って今嘘を吐き、後でバレたのならばそれこそ信用を無くす
そしてキャラは思いっきり腕を振りかぶりボールを投げた
そのボールはどんどん距離を伸ばしていき────…
ピピッ
キャラはあくまで個性の副次的効果だと誤魔化せば良いと思っていた
だがこの記録は致命的である
流石に個性を伸ばした結果今の爆豪や緑谷ももっと伸びてはいるだろうが
雄英高校に入学する時点でそれ相当の実力が無ければならない
いくら後の世代になればなるほど個性が強くなって行ってると言ってもこの記録はまだ10歳近くの少女が出すにしてはあまりにも大きすぎる記録だったのだ
色々と確認したいがひとまず体力測定を全て行うことにした
彼女の記録は全てにおいて高水準だった
記録TOP3である八百万、轟、爆豪にも引けを取らないほどに
これほど強力な力だからこそ雄英高校で預けることになった
そう相澤は解釈した
こうして体力測定が終わり、キャラはTDLへと向かった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!