朝目が覚めると、
耳が聞こえなくなっていた。
それも両耳。
寝坊したのも無理ないな。
自分が何を喋っているのかもわからず
目は見えるのに真っ暗な闇に落とされたようだった
頭で思った事を発しているつもりだ。
"とりあえず病院"と。
それも聞こえない。
耳元で鳴る微かな音なら聞こえる
ただそれだけじゃ、生活はできない
この日から私は人とは違う生活を行うこととなる。
病院の人が気づいたのか筆談にしてくれる。
「今日はどうされましたか?」
「検査しますので3番検査室へどうぞ。」
ただ耳が聞こえないだけ。
耳から音がしないだけ。
それなのにこんなにも不便なのか
検査室に入ると色々な事をされた
終始筆談だったが、一番覚えている字がある
「突発性難聴ですね。」
いきなり書かれたこの字に困惑と不安が積もる
これからの人生、どう生きていけというのだろう
「はい。突発性難聴のほとんどが原因不明ですから。」
「ただ、両耳発症される方は稀ですね。」
「時間はかかりますが徐々に回復し1〜2ヶ月後には治るでしょう。」
「お大事に。」
治らないわけではないらしい
ただ、これからの生活が
今までよりずっと不安になった
間違っている情報があれば教えてください













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。