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第1話

🦴, 1
809
2024/06/26 12:43
 明日朝早いから 
 早く出てってくんね? 
あなた
 うん 
外に追いやられた暁闇ぎょうあんのように薄暗く、
まだ過ぎ去り切れていない肌寒さが
露出の多い服装に相まって身震いする。

上着を持ってこれば良かったと
後悔するには今更遅い。
帰る家も無いまま電柱に
もたれ掛かりながら、
充電が少ないスマホで
睡眠が取れる家を探るべく
LINEを開く。

頼れる友達なんて居らず、
とにかくセフレの男数人に
同じ文章をコピペして送り付ける。

時間も時間
皆寝ているのだろうか
いつも即レスの男達ですら
返信が帰ってこない。

スマホを小さいバッグに入れて
行方も定まらないまま
ふらふらと彷徨い続けながら進む
 あなた? 
後方から名前を呼ぶ声が。
振り返るとそこには
見知らぬ男と
見覚えのある顔の男が
片手に食べかけのつくねを
持ちながら突っ立って居た。
あなた
 ショウ… 
 なんでここに居るの 
星導
 最近引越して来たんです 
売春がバレて高校中退した私は
誰よりも先に上京して
皆から離れた。

ショウは高校の同級生
言わば親友とも言える存在だった。
星導
 大学に入るために
 上京してきたんです 
星導
 隣は小柳くんです 
 大学のおともだち
あなた
 愛凪あいなぎあなたです 
小柳
 小柳です 
 てかその格好寒くないの 
星導
 確かに 
 どっか入ります? 
小柳
 時間クソすぎて 
 どこも空いてない 
星導
 じゃあ 
 近いし俺ん家来る? 
これが全ての始まりだった
小柳
 いや俺童貞だよ 
あなた
 早くえっちしよ♡ 
小柳
 酔いすぎだって 
 水持ってくるから待ってて 
水道水を注ぎに行こうとする
ロウの手を引っ張って
私の胸元へと引っ張る。
顔に胸を押し付けるように
苦しくならない程度に
ギューッと頭を押さえつけた 。
小柳
 ちょ離して 
あなた
 やだー 
 えっちしてくれないとやだ 
小柳
 はあ、
 余裕あるのも今のうちだよ? 
気づいたら形勢逆転
体をヒョイと持ち上げられて
ベッドに体を横にされる 。
あなた
 へへ…♡ 



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