そうして迎えた任務当日。
任務に同行する執事たちは準備を済ませている。
私もフルーレが用意してくれたドレスを着る。
今回は赤色の上品なドレスに仕上がっていた。
まるで英国のお嬢様のようなドレス。
丈は長過ぎず、膝あたりの長さに仕上がっている。
その上から黒いレースのマントを羽織る。
マントを羽織ると露出が抑えられてとても綺麗な仕上がりだ。
そうして赤色と黒がテーマの私のコーデは完成した。
そう言って自室を後にした。
エントランスに集まるとかっこいい衣装を
身につけた執事たちが居た。
十字架をあしらった綺麗なマント。
全ての衣装が赤と黒で出来ていた。
普通に立っているだけだろうがなぜだか眩しい((
ボスキに連れられるままに馬車に乗り込んだ。
またいつも通りに馬車は動き出した。
馬車の中にはハナマルとボスキと私だけだった。
なんだかいつもより馬車が大きく揺れているように感じた。少しでもガタンと揺れると頭が痛くなった。
胃がぐるぐるする...
必死で馬車の窓を覗いて遠くを見ていた。
あまり話す余裕もなくて自分から話題を切り出すことは一切なく、ただ馬車が止まるのを待っているのみ。
小さな声で話す2人。
そんな2人の声も聞こえない。
相槌も忘れてボスキの手を取り馬車から降りた。
グワッ
ロノの時と同じように急に視界の幅が狭まった。
何とか倒れずに立てたが20秒ほどその場に立ち込んだ。
ベリアンが後ろを振り向いて立ち止まった。
気づいた執事達も立ち止まる。
スタスタ
するとミヤジが私の方へ歩いてきた。
そう言うとミヤジは私に向けて手を差し伸べた。
あまりに不思議な事を言われたので握ろうとした。
でも..力が入らない。なんなら手が震えている。
私は首を横に振った。
まるで感覚が無くなったかのように手は動かない。
ミヤジは少し真剣な表情をした。
必死にミヤジを説得しようと声を上げた。
そして屋敷内に入り、直ぐに席に着いた。
そして5分も満たないうちにフィンレイ様も来られた。
執事たちは流れるように一礼した。
そしてフィンレイ様が今日の予定などを話し出した。
そして順調に話は進んで行く。
喉が変な感じがして咳が止まらなくなってしまった。
今はフィンレイ様が話しているのに...
慌てて咳を止めようと口を抑えるが酷くなる一方。
そんな主様に気づくとフィンレイ様は話を止めた。
絶対に怒られる。
怖くなって下を向いているとフィンレイ様が
こちらに近づいてくるのがわかった。
心配されるとは思いもしておらず少しびっくりした。
口を手で抑えて咳を止めようとするものの止まらない。
ガタッ
すると誰かが椅子を引く音がした。
ヒールの音が頭の中に響く。
そしてハナマルに身体を支えられながら屋敷の外へ。
少し空気が気持ち良い。必死に息をしようと試みた。
でも咳が邪魔をする。吸うことばかりに集中していた。
しばらく息を整えると咳も落ち着いた。
ゆっくりとハナマルと一緒に屋敷に戻る。
そうして1時間が過ぎて馬車に乗り、パーティが
開かれる街へと急いだ。
主様を見ておくようにとロノと私で2人っきり。
ロノと私以外の人達は馬車を用意しに行った。
そしてパーティ会場に着くとたくさんの貴族たちが集まっていた。
1時間後
特にトラブルなく過ごせていた__
\ドンッ/
女性の貴族の方と誤ってぶつかってしまった。
後ろに大きく突き飛ばされた。
その衝撃でボスキにぶつかった。
だが、すぐに起き上がりご令嬢を心配した。
貴族「こちらこそすみません💦お怪我は?」
珍しく優しく接してくれる貴族と出会った。
貴族「えぇ。大丈夫ですわ。ありがとう。」
自室に戻り、1人また机とにらめっこしていると
ドアを誰かがノックした。
コンコン
そうして夜遅くにルカスに治療室へと向かった。
ルカスは椅子を用意してくれた。
ルカスはきっと知っているんだ。
今日の私のことを隅から隅まで。
そう感じた時にはもう遅くて、
ルカスは真剣に私を見つめていた。
ルカスはメモを取りながら話した。
少しメモを覗くとそこには私のことがびっしりと。
以前私が誘拐された時__
その日付や私の怪我や精神状態の具合。
たくさんのことが書かれていた。
ルカスは私の手を取って私の目を見た。
そして真剣な表情で話し始めた。
その日から主様が夜遅くまで机に向かうことは無く、
気持ちよさそうにベットで寝ている姿を多く見る様に
なり、体調も回復したそうだ。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!