第21話

新しい依頼/②/💊/
3,249
2023/03/07 12:57 更新
そうして迎えた任務当日。

任務に同行する執事たちは準備を済ませている。
私もフルーレが用意してくれたドレスを着る。

今回は赤色の上品なドレスに仕上がっていた。
まるで英国のお嬢様のようなドレス。
丈は長過ぎず、膝あたりの長さに仕上がっている。
その上から黒いレースのマントを羽織る。

マントを羽織ると露出が抑えられてとても綺麗な仕上がりだ。
主様
綺麗...
フルーレ・ガルシア
少しボリュームを抑えてみましたよ!
主様
ありがとう。フルーレ。
フルーレ・ガルシア
...今回俺はパーティに同行することは出来ませんが、楽しんできてくださいね!
主様
うん。ありがとう。
フルーレ・ガルシア
あ、あとはこのチョーカーを付けてっと。
フルーレ・ガルシア
はい!完成です!
そうして赤色と黒がテーマの私のコーデは完成した。
フルーレ・ガルシア
行ってらっしゃいませ。主様。
主様
行ってきます。フルーレ。
そう言って自室を後にした。

エントランスに集まるとかっこいい衣装を
身につけた執事たちが居た。
十字架をあしらった綺麗なマント。
全ての衣装が赤と黒で出来ていた。
普通に立っているだけだろうがなぜだか眩しい((
カワカミ・ハナマル
おや、主様。お召し物似合っているよ。
主様
ありがとう。
ボスキ・アリーナス
俺達とそっくりだな。似合っているぞ。
主様
ありがとうボスキ。
ベリアン・クライアン
遅れて申し訳ありません💦
主様
大丈夫だよ。ベリアン。
ベリアン・クライアン
今から屋敷に向かって再度話し合います。
そこで今回の依頼を再確認した後にフィンレイ様達とまた合流します。
主様
わかった。
ボスキ・アリーナス
それじゃあ馬車に乗るぞ。
ロノ・フォンティーヌ
今回メンツ珍しすぎねぇか..
主様
(なんだか頼りやすい人ばかりだな)
カワカミ・ハナマル
今日は日差しが強いねぇ...
ベリアン・クライアン
では向かいましょう。
ボスキ・アリーナス
主様。手を。
主様
うん。
ボスキに連れられるままに馬車に乗り込んだ。

またいつも通りに馬車は動き出した。
馬車の中にはハナマルとボスキと私だけだった。
カワカミ・ハナマル
こんな日差しがいいと眠たくなるな...
ボスキ・アリーナス
寝るなよハナマル。
カワカミ・ハナマル
寝ないよ(笑)
なんだかいつもより馬車が大きく揺れているように感じた。少しでもガタンと揺れると頭が痛くなった。
主様
...
胃がぐるぐるする...

必死で馬車の窓を覗いて遠くを見ていた。
あまり話す余裕もなくて自分から話題を切り出すことは一切なく、ただ馬車が止まるのを待っているのみ。
カワカミ・ハナマル
なんか主様暗いねぇ
ボスキ・アリーナス
同じことを思うのは珍しいな
小さな声で話す2人。
そんな2人の声も聞こえない。
ボスキ・アリーナス
着いたぞ。主様。
カワカミ・ハナマル
足元気をつけてね
相槌も忘れてボスキの手を取り馬車から降りた。
ベリアン・クライアン
それでは屋敷に入りましょう。
グワッ
主様
またっ...
ロノの時と同じように急に視界の幅が狭まった。

何とか倒れずに立てたが20秒ほどその場に立ち込んだ。
ベリアン・クライアン
主様?
主様
(ダメだ、今動いたら...)
ベリアンが後ろを振り向いて立ち止まった。
気づいた執事達も立ち止まる。
カワカミ・ハナマル
こりゃなんかあったね。
ボスキ・アリーナス
主様、今日おかしいな。
ロノ・フォンティーヌ
大丈夫ですかね。
スタスタ

するとミヤジが私の方へ歩いてきた。
ミヤジ・オルディア
主様。
主様
ミヤジ...?
ミヤジ・オルディア
私の手を握ってみてくれるかい?
そう言うとミヤジは私に向けて手を差し伸べた。
主様
え。う...うん。
あまりに不思議な事を言われたので握ろうとした。
でも..力が入らない。なんなら手が震えている。
主様
あ..れ..?
ミヤジ・オルディア
握れないのかい?
主様
いや...でも...
ミヤジ・オルディア
無理して握ろうとしなくていいんだよ。
ミヤジ・オルディア
じゃあ改めて聞くよ。握れるかい?
私は首を横に振った。
まるで感覚が無くなったかのように手は動かない。
ミヤジは少し真剣な表情をした。
ミヤジ・オルディア
今日のパーティは辞めておいた方がいいかもね...
主様
ここまで来たには行かせて...執事達に迷惑かけたくない。
必死にミヤジを説得しようと声を上げた。
ミヤジ・オルディア
..そうかい。じゃあ無理せずに頼むよ?
主様
うん。あと他の執事にこのことは言わなくていい。
ミヤジ・オルディア
じゃあ追いつこうか。
主様
うん。
ベリアン・クライアン
主様。大丈夫ですか...?
主様
大丈夫!ちょっと考え事してただけだよ。
ベリアン・クライアン
そうですか..分かりました。
そして屋敷内に入り、直ぐに席に着いた。
そして5分も満たないうちにフィンレイ様も来られた。
フィンレイ
今日は依頼に応えてきただき改めて感謝する。
執事たちは流れるように一礼した。
フィンレイ
そして今日は最近天使が多発している街の方でのパーティになる。警戒して取り掛かるように。
そしてフィンレイ様が今日の予定などを話し出した。
そして順調に話は進んで行く。
主様
ゲホッゴホッ
喉が変な感じがして咳が止まらなくなってしまった。
今はフィンレイ様が話しているのに...
慌てて咳を止めようと口を抑えるが酷くなる一方。
そんな主様に気づくとフィンレイ様は話を止めた。
主様
すみませんっ..ゴホッ
絶対に怒られる。
怖くなって下を向いているとフィンレイ様が
こちらに近づいてくるのがわかった。
フィンレイ
大丈夫か。
主様
...!?
心配されるとは思いもしておらず少しびっくりした。
口を手で抑えて咳を止めようとするものの止まらない。
主様
ごめんなさいっ..
ガタッ

すると誰かが椅子を引く音がした。
ヒールの音が頭の中に響く。
カワカミ・ハナマル
少し席を外させていただくよ
フィンレイ
あぁ。落ち着いてからでいい。
主様
ハナマ..ル..ケホッ
カワカミ・ハナマル
無理して喋らなくてもいいんだぜ。少し外に出ようか主様。
そしてハナマルに身体を支えられながら屋敷の外へ。


少し空気が気持ち良い。必死に息をしようと試みた。
でも咳が邪魔をする。吸うことばかりに集中していた。
主様
苦しっ..
カワカミ・ハナマル
吐くことに集中しないと。
しばらく息を整えると咳も落ち着いた。
ゆっくりとハナマルと一緒に屋敷に戻る。
フィンレイ
戻ったか。
主様
先程はご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした..
フィンレイ
大丈夫だ。無理はするな。
主様
温かいお言葉感謝致します。
そうして1時間が過ぎて馬車に乗り、パーティが
開かれる街へと急いだ。
ロノ・フォンティーヌ
あの..主様。
主様
ん?
主様を見ておくようにとロノと私で2人っきり。
ロノと私以外の人達は馬車を用意しに行った。
ロノ・フォンティーヌ
その..今日なんだか様子がおかしくないですか?
主様
ん〜自分でもわかんないんだよなぁ..
ロノ・フォンティーヌ
あの...今日パーティ行けるんすか?
主様
い、行けるよ!
ロノ・フォンティーヌ
そうですか...ならいいんですけど...
そしてパーティ会場に着くとたくさんの貴族たちが集まっていた。
主様
相変わらず緊張する..
ボスキ・アリーナス
リラックスしてもいいと思うぜ。別にそんな話しかけられることもねぇだろ。
主様
ま、まぁね。
1時間後

特にトラブルなく過ごせていた__

\ドンッ/
主様
痛っ
女性の貴族の方と誤ってぶつかってしまった。
ボスキ・アリーナス
主様っ!
主様
うっ..
後ろに大きく突き飛ばされた。
その衝撃でボスキにぶつかった。
だが、すぐに起き上がりご令嬢を心配した。
主様
す、すみません!大丈夫ですか?
貴族「こちらこそすみません💦お怪我は?」

珍しく優しく接してくれる貴族と出会った。
主様
私は無いです。ご令嬢様は大丈夫でしょうか?
貴族「えぇ。大丈夫ですわ。ありがとう。」
ボスキ・アリーナス
よし。パーティも終わったな。
ベリアン・クライアン
トラブルもなく終わりましたね。
ロノ・フォンティーヌ
いやぁよかったぜ...
主様
良かったね。
カワカミ・ハナマル
いやぁ..ご令嬢の対応には困ったよ。
ボスキ・アリーナス
話しかけられたのか。
カワカミ・ハナマル
あぁ。酒を勧められたから少し飲んで戻ったよ。
ミヤジ・オルディア
少し飲んだんだね。
カワカミ・ハナマル
まぁ少し飲みたかったしな。
ベリアン・クライアン
それでは屋敷にまた戻りましょう。
主様
ただいまぁ
ラムリ・ベネット
あ!主様!おかえりなさい!!
主様
ただいま。ラムリ。
ハウレス・クリフォード
おかえりなさいませ。主様。
主様
ただいま。ハウレス。
自室に戻り、1人また机とにらめっこしていると
ドアを誰かがノックした。
コンコン
主様
どうぞ。
ルカス・トンプシー
やはりまだ起きていらっしゃったんですね。
主様
うん。
ルカス・トンプシー
少し治療室に来ていただけますか?
主様
え。う、うん。
そうして夜遅くにルカスに治療室へと向かった。
ルカス・トンプシー
そこに座ってください。
ルカスは椅子を用意してくれた。
主様
ありがとう。
ルカス・トンプシー
答えにくいことかもしれませんが、
今日の体調はどうでしたか?
主様
....普通だったよ
ルカス・トンプシー
本当ですか?
ルカスはきっと知っているんだ。
今日の私のことを隅から隅まで。

そう感じた時にはもう遅くて、
ルカスは真剣に私を見つめていた。

主様
少し...悪かった..かも?
ルカス・トンプシー
実は今日の主様の様子をベリアンから聞いたのですが...
ルカス・トンプシー
少し心配なので呼び出させて頂きました。
主様
そっか...
ルカス・トンプシー
主様。最近生活リズムはどうですか?
主様
あぁ...乱れてると思うな...
ルカス・トンプシー
そうですか..きっとそれが原因だと思います。
ルカスはメモを取りながら話した。

少しメモを覗くとそこには私のことがびっしりと。
以前私が誘拐された時__
その日付や私の怪我や精神状態の具合。
たくさんのことが書かれていた。

主様
そんなに沢山...
ルカス・トンプシー
はい?あぁ..この手帳のことですか(笑)
主様
全部私のこと...
ルカス・トンプシー
主様は他の執事達の手帳を見た事がありますか?
主様
え...そういえばないかも..
ルカス・トンプシー
フフッ実はみんなの手帳には必ず主様の事が書いてあるんですよ。
主様
そ、そうなの!?
ルカス・トンプシー
特にボスキくんやロノくんにベリアンは凄いですよ✨
ルカス・トンプシー
主様だけの事が書かれているページもありますよ✨
主様
ええ..そんなに?
ルカス・トンプシー
無理やりかと思いますが、私達はそれほどに主様を大切に思っているんです。
ルカスは私の手を取って私の目を見た。
そして真剣な表情で話し始めた。
ルカス・トンプシー
なので..無理をしないで欲しいのです。
ルカス・トンプシー
今の主様は正直に言うと...危険なんです。
主様
き、危険..?
ルカス・トンプシー
このままだと主様はいつかストレスで本当に...
主様
ルカス...
ルカス・トンプシー
なのでどうか無理にとは言いません。
ルカス・トンプシー
少し...自分をもっと大切にしていただけませんか?
主様
...わかった。ありがとう。
その日から主様が夜遅くまで机に向かうことは無く、
気持ちよさそうにベットで寝ている姿を多く見る様に
なり、体調も回復したそうだ。

プリ小説オーディオドラマ