第20話

新しい依頼/①/💊/
3,096
2023/05/21 16:27 更新
時刻は12時を回った。
少し眠れずに居たので部屋の中で日記や執事たちの
ことについてノートにびっしりとまとめていた。

机に向かって真剣な表情で筆を走らせる主様。
そんな主様を心配そうな目で見つめるムーが居た。
この時間だといつもはムーはぐっすり眠っている。
だが今日は主様が心配なのか部屋の中をウロウロしている。
主様
...はぁ..
ムー
あ、主様?
ムーが今だと思い主様を呼んだ。
主様
..ん?ムー寝ないの?
ムー
えっと..なんか主様が心配で...
ムーは主様を見つめては心配そうに話した。
主様
な、なんで?別に私何も...
ムー
いや..ここ最近主様はずっと朝の4時まで起きてますし..ろくに睡眠も取ってないです..!
主様
ムー...大丈夫だよ。
ムー
今はまだ12時40分くらいですけど...いつもみたいに4時とかまで続けるんですよね!!??
主様
...でも....
ムー
きっと、いや絶対執事さん達も心配してます!!
主様
そ、そんなの分からないでしょ...??
ムー
いえ!前執事さん達が会議室で主様の生活リズムが少し危ういって話してましたよ!!
力強く訴えるムーを見つめて主様はにこりと微笑んだ。

確かに睡眠時間は圧倒的に減ってしまった。
でも執事達のことを知って、ノートにまとめるのは
嫌いな作業じゃない。それに楽しい。
でも時に自分の身体が弱っているなと感じる。

そんなに執事達が私のことを気にかけてくれていることに少し驚きを隠せずに居た。
主様
...まぁそうだよね。だけど、もう少しだけ続けさせてくれない?あと少しでひと段落つきそうなの。
ムー
わ、分かりました..!!
主様
ありがとう。
そうして あと少し と言ったのに主様は3時まで
作業を進めていた。ムーは床で眠ってしまっていた。
主様はムーをベッドに運んで眠らせた。
主様
心配してくれてありがとうね...
小さな声でそう言うと主様はまた筆を走らせる。

そうして結局眠らずに過ごす主様。
朝の4時__
結局一睡もせずに朝を迎えてしまった。
3時が過ぎてからは眠ろうと試みたものの、
目が覚めてしまい眠れなかった。
主様
(水を飲みに行こう。)
静かに自室のドアを開けてキッチンへ向かった。
ロノ・フォンティーヌ
♩〜♩
キッチンからは鼻歌が聞こえてきた。
声の正体はロノだ。
朝早くから朝食を作っているようだ。
ガチャ
ロノ・フォンティーヌ
ん?
主様
おはよう。ロノ。
ロノ・フォンティーヌ
主様!おはようございます!
主様
水貰ってもいい?
ロノ・フォンティーヌ
もちろんですよ!
ロノはせっせと水を汲んで渡してくれた。
主様
ありがとう。
ロノ・フォンティーヌ
いえいえ!
ロノ・フォンティーヌ
そういえば今日はグロバナー家から依頼が来てまs...
ロノから水を受け取ったその時だった。

グラッ
バリンッ
ロノ・フォンティーヌ
主様っ!!
主様
っ...!
視界が突然暗くなって持っていたコップを落としてしまった。ガラスのコップは割れてしまい、
床に破片が散乱していた。
突然の事で私もよく分からずに居た。
ただロノに肩を支えられて、ロノも放心状態だった。
主様
ごめんっ...
コップを割ってしまい何が何だか分からず口からは
ごめんとしか困惑のあまり出てこなかった。
ロノ・フォンティーヌ
だ、大丈夫ですか?!
主様
ごめんなさい..ごめん..ほんとっ..
ロノ・フォンティーヌ
だ、大丈夫ですから!
ダダダッガチャ

するとガラスの割れる音に反応したのか焦った顔で
ボスキが走ってきた。
ボスキ・アリーナス
何があったんだ..!
ロノ・フォンティーヌ
え!?あっ!?
突然来たボスキにびっくりしてロノは困惑した。
主様
ロノ...言わないで...
震える声でロノに伝えるとロノは小さく頷いた。

するとロノは顔を変えて笑顔でこう伝えた。
ロノ・フォンティーヌ
す、すみません!主様に水を出そうかと思ったらコップを落としちまって!
ボスキ・アリーナス
丁寧なロノが珍しいな。主様はなんで泣いてんだ。
ロノ・フォンティーヌ
い、いやぁ音にビビったみたいで💦
ボスキ・アリーナス
そうか。怪我は無いな。
主様
コクコク
ボスキ・アリーナス
破片は俺も片付けるから主様は少し待っていてくれ。
主様
わ、分かった。
ボスキ・アリーナス
悪ぃな。遅れた。
主様
大丈夫。
自室にボスキが戻ってきた。
ボスキ・アリーナス
そういえば、今日はグロバナー家から依頼が届いているそうだぞ。
主様
そ、そっか。
明らかに言動や行動に落ち着きがない主様。
少しボスキも気になったのか問いかけた。
ボスキ・アリーナス
主様。大丈夫か?
主様
え..
ボスキ・アリーナス
わ、悪ぃ突然聞いちまった。少し落ち着きがないように見えたからな。
主様
大丈夫だよ..全然..
ボスキ・アリーナス
そ、そうか。
コンコン

すると自室のドアをノックする音が聞こえた。
主様
どうぞ。
ガチャ
ベリアン・クライアン
失礼します。先程はグラスが割れてしまったそうですね。お怪我は無いですか?
主様
..大丈夫。
ベリアン・クライアン
左様ですか。実は昨日の深夜に新しい依頼が来ました。
主様
グロバナー家から?
ベリアン・クライアン
はい。その通りでございます。
ベリアン・クライアン
そして..今回はパーティ内の警備となっています。
主様
なるほど。
ベリアン・クライアン
今回は同行する人数が決まっております。
そして今回は6人でとの事です。
主様
その中に私が入っているの?
ベリアン・クライアン
はい。そして今回は私もボスキ君も同行します。
ボスキ・アリーナス
俺は主様担当執事だからな。
ベリアン・クライアン
そして他にはミヤジさん、ロノ君、ハナマル君にも同行してもらうことにしました。
ボスキ・アリーナス
珍しいメンツだな。
主様
まぁベリアンが居れば安心だよ。
ベリアン・クライアン
フフッ嬉しいお言葉ありがとうございます。
ボスキ・アリーナス
んで、いつ行くんだベリアンさん。
ベリアン・クライアン
明後日です。
ボスキ・アリーナス
はや。
主様
もうすぐだね。
ベリアン・クライアン
お召し物はフルーレ君が用意済みですよ。
主様
準備早いね。
ベリアン・クライアン
明日は最後の打ち合わせを行います。
同行する人達全員でフィンレイ様の所へ向かいます。
主様
わかった。
ベリアン・クライアン
それでは失礼しますね。
バタンッ
ボスキ・アリーナス
おっと。俺今日ハウレスと模擬戦やるんだったな..主様。失礼しても大丈夫か?
主様
大丈夫だよ。
ボスキ・アリーナス
ありがとな。失礼する。
バタンッ
そうして自室には誰もいなくなった。
ムーはアモンと庭で整備を手伝っているらしい。
主様
暇だな。
コンコン
主様
どうぞ。
カワカミ・ハナマル
主様っ
主様
どうかしたの?ハナマル。
カワカミ・ハナマル
今日なんかグラス割れたらしいねぇ
主様
あ、うん
カワカミ・ハナマル
違ったら申し訳ないんだけど。
主様
う、うん
ハナマルが次に言うことがなんだか予想がつく。
カワカミ・ハナマル
グラス割ったの..主様じゃないの?
主様
な、なんでそう思うの...?
カワカミ・ハナマル
指。切れてるよ。
主様
え。
急いで手を見ると指が2箇所ほど切れていた。
カワカミ・ハナマル
正直に言ってみてくれよ。
主様
わ、私じゃないよ..(笑)
焦って苦笑いで誤魔化した。
それでもハナマルの目は変わることはなかった。
真剣な表情で私の目をじっと見つめた。
カワカミ・ハナマル
そうかい...まぁ思い過ごしだったかねぇ。
ハナマルは呆れなような表情をした。
カワカミ・ハナマル
それはごめんね。じゃあ俺はこれで...
主様
待って。
カワカミ・ハナマル
ん?
主様
もう少しだけ居てくれない?
カワカミ・ハナマル
あぁ。もちろん。
ハナマルはニヤリとしてまた椅子に座った。
カワカミ・ハナマル
そういえば明後日にパーティがあるみたいだね。
主様
そうだね。
カワカミ・ハナマル
主様のドレス姿を見れるなんて最高だな。
主様
いやちゃんと依頼もしてよ?
カワカミ・ハナマル
まぁ警備だからねぇ
そうして翌日___
ボスキ・アリーナス
主様。起きろ〜。
主様
ん..おはよ...
ボスキ・アリーナス
今日は打ち合わせがあるから準備するぞ。
主様
分かった。
ムー
おはようございます!主様!!
主様
おはよう。ムー。
ベリアン・クライアン
主様。準備は出来ましたか?
主様
うん。
ベリアン・クライアン
それでは屋敷へと向かいます。
ベリアン・クライアン
今回は打ち合わせということでルカスさんも同行してもらいます。
ボスキ・アリーナス
それじゃあ行くぞ。
カワカミ・ハナマル
俺も初めて行くから緊張するねぇ..
ロノ・フォンティーヌ
主様はリラックスしててくださいね!!
ルカス・トンプシー
きっと主様は話を聞いているだけだから大丈夫だよ。
主様
ありがとう。
そして屋敷内に入る。
執事達は私を真ん中にして座り始めた。

5分後__
フィンレイ様が中央の椅子に座った。

少し震える主様の手。
ここはハウレスが処刑されかけた場所。
未だにその時の記憶は鮮明に残る。
今はテディは居ないけれどテディのあの時の
顔はもう二度と見たくはない。
フィンレイ
やぁ。悪魔執事たち。今日は来てくれてありがとう。
その声を聞く度に胸の奥が痛くなる。
でも話は聞かなければ___
フィンレイ
今回はまたパーティ内の警備になる。
都合上、他の大地の貴族も来る。
そのため悪魔執事達の身分は伏せておいてくれ。
フィンレイ
万が一の時があった場合は貴族達の護衛を第一としてくれ。...あ、いや。主の護衛を1番とした方がいいな。
主様
(私なのね...?)
そうして全体の流れを説明されて
そのまま打ち合わせは終わった。

ベリアンは万が一のことを考えて体制を整えていた。
ロノはいつも通り夜遅くまでレシピを考えている。
ボスキは寝てる。
ハナマルは今日は庭で訓練をしていた。

翌日はフィンレイ様の屋敷で1時間ほど話し合い、
そこからフィンレイ様と悪魔執事分かれて馬車に乗る。
その後にパーティ会場で各自張り込むそうだ。

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