第18話

17. 壁
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2026/02/10 12:35 更新
転校して4日目





教室に入った瞬間


温度が数度下がったような気がした。








視線の先、自分の机には 「どいて」 と言わんばかりに
誰かの通学カバンが、これ見よがしに置かれている。








おそらくだけど


昨日、クラスの男子にノートを貸してあげたのが


誰かの逆鱗に触れたらしい。








クラスメイト1
あ、おはよー星野さん。
クラスメイト1
そこ、私の友達が座りたがってたから 
どかしてあげたんだよね
クラスメイト1
いいでしょ?



取り巻きを引き連れて、筆箱を弄りながら言った。


本当にわざとらしい笑顔で。









私は立ち止まったまま、一瞬だけ彼女の指先を見る。




星野あなた
(昨日の男子と……同じキーホールダー)



あぁ、なるほど。


そういう事か……


星野あなた
おはよう
星野あなた
あ、そうだったんだね
教えてくれてありがとう


いつものように柔らかく、
でもどこか実態のない笑みを浮かべた。





怒りも困惑も見せず、


ただ 「正解」 の音を出す。



クラスメイト1
…え、それだけ?
自分の席とられてるんだよ?
星野あなた
大丈夫
星野あなた
私、どこでも座れるから
クラスメイト1
……なにそれ。変なの


彼女が眉にシワを寄せる。





たぶん、私が泣き言を言うか


あるいは 「私の席なのに」 と主張するのを
待っているんだと思う。



でも私は その土俵には乗らない。




星野あなた
じゃあ私、あっちの端っこの席 借りていいかな?
星野あなた
みんな仲良しで楽しそうだから、お邪魔しちゃうと申し訳ないし
クラスメイト1
……はぁ?
勝手にすれば



毒気を抜かれたように、彼女は視線を逸らした。


私はカバンを抱えたまま、空いている席へ移動した。








後に後悔するなんて


まだ誰も知らなかった___。


せいか
せいか
︎🌟100↑ありがとうございます😙︎💕

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