第72話

72. 卒業
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2024/06/21 20:00



毎回言ってるけど、月日が過ぎるのはとてもはやくてあっという間に高校1年生が終わろうとしている

そして新たな一歩に踏み出す人が1人…









亮平
卒業おめでとう辰哉くん!!
辰哉
あははっ!ありがと〜!!


今日は辰哉くんの卒業式だ…

慧成の校門の前で辰哉くんと在校生として卒業式に出てた佐久間と合流

次は大学生になるんだぁ、あの憧れの世界に入っていけるのかぁ、カッコいいな…

大介
ふっか、めちゃくちゃ号泣してたな…笑
辰哉
は、はぁ!?してねぇよ!!
大介
そんな目真っ赤にさせてるのによく泣いてねぇとか嘘つけるな!!笑
辰哉
うるせぇ!!お前はほんといつからそんな口悪くなったんだ!?先輩を敬え!!笑
大介
……………
辰哉
えっ、さ、佐久間?


突然佐久間が急に黙り込んだ…

いつもだったら俺が止めるまで言い合いしてるくせに、どうしたんだ??

大介
ふっか言ってくれたじゃん、「先輩って思わなくていい、友達だ」って…










大介
嬉しかったよ…ありがとうふっか……
辰哉
……な、なんだよ急に
いつものようにガツガツ来ないと調子狂うじゃねぇかよバカ…
亮平
ふふっ…笑
大介
ほんとに年上とは思えないよなぁ、精神年齢が低い感じ?笑 そのおかげで気が合ったっていうか、それでも勉強が出来ていつも教えてくれてたよなぁ〜笑
辰哉
…おい、最初のは言わなくても良かっただろ?笑
大介
えっ?だってほんとのことだもん笑
辰哉
おいお前さぁ…笑
亮平
はいはーい、終わり〜笑
大介
えぇー!今からじゃん!笑
辰哉
そうだよ亮平!
亮平
いや、もういいよ笑


大学生になったら忙しくて会える機会減っちゃうかな、寂しい…

でも、辰哉くんと出会えて良かったほんとに

先生
さくまぁ〜
大介
あっ、先生どうした?
先生
ちょっといいか?予定がちょっと変わってもうそろそろ片付け入らないといけなくなった
大介
えぇ、マジか…2人とも俺行くわ!またねっ!
亮平
はーい!片付けがんばー!笑
大介
ふっか!本当に卒業おめでとっ!
辰哉
おう!ありがとな!!


そろそろ学校出るわっていうことになって2人でトボトボ歩く…

謎のこの沈黙が…なんか気まずい……笑

辰哉
亮平…
亮平
ん?


最初に口を開いたのは辰哉くん、

辰哉
母さんに聞いたんだけど、まだ手術受けるの決めてないんだって?
亮平
あぁ…そろそろやばいよねぇ笑


どんどんこの話引きずっていっちゃってもう2年生になっちゃうよ…笑

でも、あれからそんな大したこと起こってないし…

別にまだだいじょう……









辰哉
こんなきつく言いたくないんだけどさ…
辰哉
手遅れになる前にすぐにでも決断するべきだよ
亮平
えっ……
辰哉
別に大きな発作も起きてないし、まだ大丈夫だって思ってるだろ?
辰哉
そんなんじゃダメなんだよっ…
亮平
……………


今にでも泣きそうな辰哉くん、

いつも優しく話して俺に寄り添ってくれるのに、今はとても怖い…

でも心配してくれてる、だからあえてきつく言ってくれてるんだって

辰哉
病気の進行ってすごくはやいものなんだよ?亮平の場合だったら急にってことだってある…
辰哉
心配かけたくないんじゃないの?佐久間に…
辰哉
佐久間、いつも亮平のこと心配してたぞ?自分で決められないんだったらもうちゃんと佐久間にも相談した方がいい…









辰哉
大切な友達なんだろ?
亮平
……‼︎
亮平
お、俺…
辰哉
なかなか言えないんだったら俺がそばにいるよ?3人で話し合い……
亮平
い、いや!俺がちゃんと言う!
亮平
言う…
辰哉
……そっか、


ちゃんと…ちゃんと言わないと……

って俺はあの時覚悟してたのに













言おうとしてたのにそのすぐに、

『余命宣告』を告げられるなんて思ってもいなかった

辰哉くんの言う通り、手遅れになる前に決断するべきだったんだ……




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