スキジキのあなたヌナ。
元々他の事務所のガールズグループのマネージャーだったヌナは2年前に僕たちのスキジキとなった。
僕たちにとっては女の人のスキジキは初めてで、警戒していたけど、僕はスキンシップのおかげかメンバーの中で1番早くあなたヌナと打ち解けることができた。
最初はヌナもスキンシップの多さに戸惑ってたけどね。
徐々にメンバーのみんなもヌナに心を開いていって、今では信頼できるスキジキまでとなった。
ペンミ終わり。
僕だけ皆と違う車だったけど、ラッキーな事に運転手はあなたヌナだった。
会場の駐車場
『今日のペンミ楽しかったなー!』
「ピリちゃん、ポガリ抱きしめてて可愛かったよ」
『ほんと?!stayも喜んでくれたかな?』
今日の思い出を語りながら話している時だった
『あなたヌナ、明日のペンミなんだけどさ』
、、、、、、、、タイミングが良くなかった。
突然後ろから激しい衝撃が背中に走った。
僕たちの後ろを走っていたシャトルバスが僕の座っている左側後方にぶつかってきたのだ。
『、、、痛っ!』
僕は車の肘掛けに腕をぶつけてしまった。
前を見るとハンドルを強く握りしめながら、後ろを向くヌナ。
「ピ、ピリちゃん!?大丈夫!?」
腕を押さえてる僕の姿を見てヌナはとても慌ててしまった。
ヌナが他のスキジキに連絡するとすぐに駆けつけてバスの運転手とヌナ、僕、警察で事情聴取が始まった。
ヌナの手がずっと震えている。
僕は腕の痛みが治らず、病院に行くことになった。
医師に骨折と言われ、事務所は今後の活動や治療についてすぐに文を出してくれた。
『はぁ。今頃楽しいはずなのにな』
今日はペンミ2日目。宿舎で1人でいると玄関のチャイムが鳴りあなたヌナが食べ物を持ってきてくれた。
「ピリちゃん。ごめんね、私のせいで。」
ヌナは俯いてそう言う。
『え、なんで?ヌナは何も悪くないよ!僕がヌナの運転中に話しかけたから、、』
「ううん。私が周り見て運転してなかったからだよ。
それに世界的アイドルを車に乗せてるって言う責任感も欠けてた。私、スキジキ失格だよ。」
俯きながら、涙が出そうになるのを精一杯我慢するヌナ。
『、、、失格なんかじゃないよ』
ヌナの携帯が鳴り電話に出ると、スキジキのヒョンに早めに会場に戻って来れないかと言われていた。
え、昨日の事故あったばっかりでヌナの心が落ち着いてないはずなのにもう仕事、?
それに会場から宿舎まで遠いのに僕のためにわざわざ合間時間に持ってきてくれたの、、、。
「ピリちゃん、私もう行かないとだから、何かあったら連絡してね、、、」
そう言いながら急いで宿舎を出て行った。
怪我の治療も終わり、完全復帰したけど、最近ヌナの姿が見つからない。
メンバーに聞くと、「理由は分からないけどいつのまにか来なくなった」と言う。
治療に専念していた分動きが鈍ってしまっていて、事務所でダンスの練習をして夜遅くなった時、
会議室からヌナの声がした。
「、、、辞めさせてください」
え、、ヌナが辞める?
会議室に突っ込む勇気がなく、僕は死角になるところで話を聞いていた。
話し合いが終わり、ヌナが出てきてその10分後にはスキジキのヒョン。
ヒョンを捕まえると驚いた顔をしてた。
『ねえ!ヒョン!どういうこと!?何でヌナが辞めるの!?』
「ヨンボガ!?話聞こえてたの?」
『たまたま帰ろうとしたらヌナの声が聞こえてきたから!ヌナは何も悪くないよ!あの駐車場だってそもそも狭いし夜遅かったから視界悪いし、バスの運転手だって悪くないよ。僕が悪いんだ。あなたヌナの運転中に話しかけたから、、』
「確かにあの駐車場は俺たちでも運転しにくい。あなたも悪くない。でもな、あなたは自分の注意不足と責任感が足りなかったことでまた、同じことが起きて今度は取り返しのつかないことが起きたらって。だから、そうなる前にスキジキを辞めたいって言ってきたんだよ。」
『、、なんで。』
「スキジキってお前たちを守る仕事だからあなたもそれを分かってるからこそ責任を感じて辞める選択をしたんじゃないかな?俺もあなたが辞める事には反対したよ。でも、あなたもヨンボガと同じくらい辛くて悩んでるから。あなたの気持ちも分かってあげて。」
肩をポンと叩かれ、スキジキはいってしまった。
僕はヌナにメールをした。
『頭が痛くて、スンミナが宿舎に今いないからヌナが薬持ってきてほしい』
夜遅くにヌナを出させるのは間違ってると思うけどこうでもしないと来てくれないと思ったから。
30分後、息を切らしたヌナが玄関から入ってくる。
seungmin「え、ヌナ?どうしてここに?」
「スンちゃんこそ、いないんじゃなかったの?」
『スンミナ、ごめんね。僕が呼んだの。』
そのままヌナの手を引き僕の部屋に入る。
「ピリちゃん?頭痛いんじゃ、、、?」
『ごめんなさい。あれ嘘。ヌナにどうしても会いたかったから。』
「どうして急にそんなこと、、」
『僕聞いちゃったの。ヌナが辞めるって言ってるとこ』
その瞬間ヌナの顔は曇った。
「、、またこの前みたいなことがあったらって考えると怖いの。今度は取り返しのつかないことになるんじゃないかって。そうなったら、ファンの子達も皆、悲しむでしょ。」
『でも、ヌナが辞める必要ないじゃん。当分は運転だってヒョンにして貰えばいいしヌナは出来ることだけしてれば、、、』
「それじゃダメだよ、、、。他のスタッフに運転任せて私は楽な仕事?人に迷惑かけてまで私がここにいる必要ないと思うの。ピリちゃんだって私の顔見ればあの時の事故を思い出してこれからのアイドル活動に支障が出れば私が耐えられないよ、、、」
ぽつりぽつり話すヌナは、マイナスなことしか発さない。あの事故から責任を感じて相当精神的にきてるんだと思う。
『じゃ、ヌナは誰が守ってあげるの、、、?』
「え、、」
『僕たちは事務所と契約してる以上事務所が守ってくれるけど、ヌナは?ヌナ、今辛いでしょ?そんなヌナを1人にできないよ。』
ヌナは涙を溜めながら僕の名前を呼ぶ。
『ヌナのことは僕が守るから、1人でどこかに行こうとしないで。あの事故はヌナのせいだなんて思ってる人いないし、僕がヌナを見て嫌になるわけないじゃん。ヌナのこと大好きなのに。』
ヌナは、ずっと涙を流していて僕はヌナをそっと抱きしめる。
ヌナは涙が落ちついた頃に「ごめんね、ピリちゃんみっともないとこ見せて。」と言って帰る準備をし始めたけど、僕とスンミナで『今日は宿舎に泊まりな』と半強制的に宿舎に泊めた。
『ヌナ、僕達から離れないで、、』
そう言いながら寝ているヌナの頭をそっと撫でた。
それから数日経ち、僕はマネヒョンに呼ばれた。
「ヨンボガ、あなたの事だけど、お前は1番気にしてるだろうから先に言っとく。」
『、、うん。』
なんか胸騒ぎがする。
結局、ヌナは僕たちから離れるのか、、、
「あなた、正直に言うとまだこの仕事続けたいって言ってたよ。」
『え、、』
「まだ、この間の事故のことを気にしてたけど、「2度とあんなことが起きないようにもっとスキジキとして責任感を持ってメンバーを守っていきたい」って。だから、あなたは今まで以上に仕事に専念するって言ってたし、時には無理をするかもしれない。その時は、ヨンボガが
あなたを守ってあげて。」
僕の曇りがかっていた心は一気に晴れになった。
あなたヌナ、これからもずっと僕たちをサポートしてくれるんだ。
すごく嬉しくて、ヌナが作業している場所にるんるんで向かう。
『あなたヌナー!!!』
「わぁ!!!ピリちゃん、どうしたの!?」
僕はヌナに後ろから抱きついた。
「だってヌナがこうやって僕たちのサポートしてくれるのが嬉しいんだもん!大変な時は言ってね!僕がヌナをサポートするから!!!」
メンバーには、またあなたヌナにちょっかいをかけてるっていう目で見られてるけど、別にいいもん。
『僕がヌナのことずっとずっと守っていくから。』












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。