及川 side
西谷「アウトッッ」
ピッ
及川「ックソ」
さっきから、サーブの調子が良くない
それどころか、トスも、セットアップも上手くいかない
俺が焦りを抱えてると知って、監督はタイムアウトをとってくれた
岩泉「クソ川、どうしたよ
いつも以上にサーブの調子悪いな」
花巻「それにトスも随分と雑じゃねえか」
及川「…」
国見「やっぱり、心配なんですよね」
及川「国見ちゃん…聞いてたの?!」
国見「あ、はい。普通に聞いてました」
監督「及川どうした、心配事があるなら解決
してからこいよ、待っててやるから」
及川「ッはい…ッ!」
岩泉「俺も行く」
及川「岩ちゃん…」
探しに行ったとしても…、どこにいるかは分からない
俺らはとりあえず、校舎内を走り回って探した
真白「…ばいばーい、川島ちゃん」
及川「ぁッ…!」
ふと小さな声がしたと思い右を向くと、
肩を押されてこちらに落ちてくるあなたちゃんがいた
及川「岩ちゃんッッ!」
岩泉「おうッ…!」
咄嗟に受け止めようと反応する体。
後ろは岩ちゃんに支えてもらって、あなたちゃんは
無傷ですんだ…
真白「おッ…!及川さん!?岩泉さんまで!
練習試合中のハズでは」
おれは間抜けたような素振りをする真白をキッと睨んだ
及川「チッ」
真白「ち、違うんです及川さん…!誤解です!!」
及川「言い訳も聞きたくない」
そう言って俺は、あなたを保健室に連れて行った
今までたくさん俺を救ってくれたあなたちゃんに、
返せるものはこれくらいしかない、から
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。