あなたside
ある日、いつも通りの変わらないような日。
本社でライバーさん達と話していた時の事。
そんな他愛もない話を繰り広げていた。
バタッ
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起きると見慣れない街並みが目の前にあった。
人気のない車も通らない道路に一人座っている。
突然声をかけられる。
すぐに立ち上がる。
大人びた女性に声をかけられ驚いている。
私より少し身長が高い。
サラサラな髪に透き通るような声。
紫色の目には夜が住んでるみたい。
ビー玉のようなその目に今にも吸い込まれちゃいそう。
聞き慣れた声であだ名を呼ぶ声。
ここにいるはずもない甲斐田さんが目の前にはいた。
でもいつもの甲斐田さんじゃない、少し大人びている。
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どういうこと??
知らない街に私は今いて、でも甲斐田さんもいて。
私に声をかけたのは私と同じ名前をもつ女性で、甲斐田さんとは友達、?
いやっ、そもそもなんで私と甲斐田さんはここにいるんだ??
知らない街の道路で私は倒れてた、でも甲斐田さんはあなたさんの方からさも普通かのように走ってきたけど…
今会った甲斐田さんと、さっきまで一緒に話していたはずの甲斐田さんの私を呼ぶ声が頭をよぎる。
もしかして、
甲斐田さんは私の事を知らない、?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!