あれからしばらくすると、いつの間にか外が暗くなり始めていたことに気がつく。
アリスもとっくの前に昼寝から戻ってきており、夕飯の支度を何時から始めようか考えているのか、頻繁に時計で時刻を確認している。
フラワーは、喉が乾いたようで大きなコップに水を入れ、一気飲みしていた。
各々が自由に時間を潰す中、突然インターホンの電子音が家に響く。
「はーい?」
「あぁ、来たか。」
一番最初に動いたのはアリスであり、その後スカイが後に続く。
駆け足で玄関に向かったアリスは、重たいドアを押して、玄関前にいる人に目を見開かせた。
「あれ、ユキさんにホープさん!」
「こんばんは〜。ご飯ってまだですかね?」
「え、うん。そうだけど…。」
玄関前で並んで待っていたユキとホープ。
ユキはアリスに気がつくと、手を振りながら軽く挨拶を交わした。
そして、彼女の質問におずおずと頷いたアリスを見ると、手を合わせて嬉しそうな笑顔を浮かべる。
「それならよかったです!足りない分の食材を買ってきたので、今日の夜ご飯は私に作らせてください。」
「えっユキさんが!?」
一体どういうことなのかと言いたそうに、アリスは後ろにいるスカイへ視線を送る。
その視線から逃げるように玄関の外へと出て行ったスカイは、「あー」と声を漏らしながら頬を指でかいた。
「まぁ、今日はコイツと飲みに行くから、ガキ共頼んだ。」
「聞いてないんだけど?」
「言ってないからな。」
「連絡ぐらいしとけよ。」
ホープの頭を軽く叩くと、彼はスカイの手から逃げ出し、後ろからスカイの背中を小突き始める。
それがまぁ中々の強さで、小突かれたところがジンジンと痛み、頭を叩いた手で自分の背中を擦った。
その様子を見ていたユキは苦笑を浮かべながら、家の中へと入っていく。
「それじゃあ、終わったら連絡してね。…あ、くれぐれも潰れないように気をつけるんだよ?」
「あぁ、ほどほどにしとくよ。」
最後にユキとホープが軽くやり取りを交わすと、玄関のドアが閉まっていく。
ドア越しに鍵のかかる音が聞こえてくると、スカイとホープはお互いに目を合わせ、家に背を向けて歩き出した。
「にしても、珍しいな。お前が悩み事なんて。」
歩き出したのとほとんど同時にスカイの体を肘で小突いたホープは、揶揄うように笑いながらそう言う。
それに対して恥ずかしそうに目を逸らしたスカイは、ため息に近い息を零す。
「まぁ……色々あってな。」
「詳しいことは着いてから聞くけどさ、そんなお前を悩ませることって何なんだよ。」
ホープはスカイの悩み事に相当興味があるのか、彼をジッと見つめながら問い詰めてくる。
やや前のめりになった彼から逃げるために足を早めたスカイは、母音だけを繰り返し発した後、恐る恐る口を開いた。
「……れん、あいとか…」
「お前が!?!?!?!?」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。