前の話
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僕は白川碧斗。中学生の男子だ。
自分の声が嫌いだ。
変声期でますます低くなってしまったからだ。
昔は高い音も出せたのに、今は思うように声が出なくなった。
女の子になりたいというのは、変だと思われるかもしれないけど、本当に切望している。
それが出来なくても、喉の手術を受けたいと考えていることがある。
声が自分の存在を否定しているように感じる。
高い音が出せなければ、不利だと思ってしまって、将来に不安を感じている。
ある日、僕の唯一の友達である零太が声をかけてくれた。
彼の声は高くもなく低くもない…
聞きごごちの良い、優しさと温かさが込められているように感じた。
今まで自分の悩みを打ち明けられずにいることに後悔が押し寄せてきたけど、
彼は本当の友達だから、僕の心の中に秘めた悩みを受け止めてくれるはずだ。
思い切って、僕は零太に自分の気持ちを話すことにした。
女になりたいという思いや、声が苦手で喉の手術を受けたいという願望を率直に伝えた。
彼は驚いた様子で目を見開いたが、しばらく黙って考え込んでいた。
そして、にっこりと微笑んで言った。
彼の言葉に、僕の胸が温かくなった。
零太は僕を理解してくれているし、僕の望む未来を応援してくれる友達だった。
気づけば僕は目に涙が溢れていた。
それから、少しずつ自分を受け入れるようになった。
声がどんなに低くなっても、自分自身を大切にすることを決めた。
零太と一緒に過ごす日々は、中学生らしい楽しい時間でいっぱいだ。
一緒に遊んだり、笑ったりしながら、僕は自分自身を見つけていく。
声がコンプレックスだった過去があっても、
このことを零太に打ち明けたことで希望を見つけた。
声だけでなく、心の豊かさや友情が大切なんだということを知った。
だから、これからは自分の声を愛し、自分の人生を輝かせる。
零太と共に、自分らしさを追求し、思いっきり楽しい中学生時代を過ごす。
それが僕の新たな冒険。そして、零太との友情こそが、僕の宝物だ。
…もし、誰にも打ち明けられなかったのなら、
僕は…












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。