第5話

プロローグ-5 教師.作曲家
24
2026/04/20 22:46 更新
2階は全て見終わったかな。階段から1階へ降りよう。


階段を降りると、大広間とも言えるような、広い空間が広がっていた。階段を降りた両脇には奥へと続く扉が、まっすぐ進むと恐らく外へと出られそうな大きな扉がある。

傍には何かが飾られている。『金箔の模擬刀』?一種の芸術品かな?
???
模擬刀...この館の歴史を彩る何かだったのでしょうか?
気がつくと、眼鏡の女性が横に立っていた。
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
わっ、え、えと...説明も何もないし...簡単に手に取れそうなんだよね...
???
ええ...ですが、あまり触らない方が良いかもしれませんね。ほら、手についてしまいました。
どうやら模擬刀を触ったらしく、彼女の手には金箔がついてしまっている。
???
それにしても、非常に高い天井ですね...
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
うん、個室から出たときも思ったけど、ステンドグラスが綺麗に張られていて、すごく、神秘的だね...
僕らは上を見上げて、自由に思ったことを口に出していた。少しして、彼女はハッと何かに気づいたかのように口を開けた。
石井 保奈美
石井 保奈美
申し遅れました。私は石井 保奈美イシイ ホナミと申します。『超高校級の教師』と呼ばれております、よろしくお願いしますね。
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
ぼ、僕は早乙女霧斗...超高校級の幸運だよ...石井さん...よろしくね...き、教師なんだ...そっか。
石井 保奈美
石井 保奈美
おや?もしかして教師は苦手な方ですか?
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
い、いや...苦手というか、その、先生にも、大人からも嫌われていたから..
石井 保奈美
石井 保奈美
そうですか...で、ですが安心してください。教師ではありますが、実は私も皆様と同じ、現役の高校生なんです。年齢だって同じですよ。
石井 保奈美
石井 保奈美
私としては、皆様の安全を確保しつつ、仲良くしていけたら嬉しいな...と思っておりますので。
そう言って、彼女はニコッと微笑んでみせた。
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
う、うん...ありがとう。こんな僕でも、できれば皆と仲良くできたら良いな...って思ってしまうんだ。
石井 保奈美
石井 保奈美
はい!では、困ったことがあれば私に相談して下さいね!皆様のケアをするのも、教師の務めですから。では。
一礼をし、彼女は外へと出ていった。先生...でも、この人なら話しやすそう...かな。
先に館全体の確認を行うことにした。まずは真っ直ぐ進んで奥の部屋、倉庫のようだ。

かなり広い。中にはバッテリーやハンマー、陸上競技用の砲丸などがある。何か欲しいものがあるときはここにいけばなんとかなりそうだな...

倉庫にいた人物がこちらに気がついたようだ。しかし、話しかけようとはしてこない。こういうときは、自分から話に行くべきだよね...よし、行こう...
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
こ、こんにちは...君も、超高校級の1人...?
???
............
返事がない、聞こえなかったのかな...?
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
あ、あの...僕は早乙女霧斗...超高校級の、幸運、です...き、君の名前を教えて欲しいんだけど...駄目かな...?
???
聞こえてるわよ。もう何人も同じ話をしてうんざりしてるだけだから。
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
ご、ごめんなさい...
???
…ハァ。わかったわよ。
深雪 楓音
深雪 楓音
深雪 楓音ミユキ カノン。『超高校級の作曲家』よ。これで満足?
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
う、うん...ありがとう...えと、これからよろしくね...
軽い挨拶を終えたが、彼女は僕のこと...いや、これまで会って来た他の人のことも好意的に思っていないようで、ただため息を吐くだけだった。
深雪 楓音
深雪 楓音
私はここに友達を作りに来てるわけじゃないの。友達を作りたいなら別の相手を探してもらえるかしら?
深雪 楓音
深雪 楓音
それに...貴方が幸運ですって?ずっとナヨナヨしていて、何かから逃げてばかりで大して努力しているように見えない...いくら何でも、冗談きついわ。
早乙女 霧斗
早乙女 霧斗
え、そんな...いや、ごめんなさい
深雪 楓音
深雪 楓音
それじゃあ、私はこれから1人で行動させてもらうから。
そう言って、彼女は倉庫から出ていった。
こういう人もいる...わかってはいるんだけれど、やっぱり自信は無くしてしまう...こんな僕って、本当に駄目だな...

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