昔 、とは言ってもそれほど遠い訳じゃない 。
アレンさんに拾われる前 、ちょうど5、6年前ぐらい 。
砂把にまだ居た頃だ 。
薬 、ギャンブル 、売春 、
本来 、人間として成熟しきっていない子供が居るには異常としか言えないこの環境が 、私に 、砂把に居る子達にとっての日常だった 。
日常とは言っても 、慣れる訳ない 。
現実に苦しんで 、憔悴しきった子や 、耐えに耐えたけれど結局ダメで堕ちていってしまう子 。様々だった 。
他の地区との境目になっている線路があった 。
そこはもう電車などは通っていないので 、入ろうと思えば容易に入れた 。
金網ひとつで区切られたあちらとこちらの世界は 、天国と地獄のような差があった 。
その差に絶望してしまう子は 、少なくなかった 。
私達 、溢れ者にとって最高級の逃避行と言われていたのが 、所謂犯罪だった 。
正気の沙汰では生き抜くことが出来ない此処じゃ 、奪うことが正義になっていた 。
強ければ 、
負けなければ 、
なんでも 、 手 に 入 る と 。
それが 、甘美な罠だと 、わかっていても 。
2人してわかってないなぁ ~ 、… まいいけど 。
そう言って 、哉真斗が天を仰ぐようにして空を見上げる 。
ちょうどお昼時だから 、太陽が真上にある 。
容赦なく日差しが照りつけてくる 。
… たしかに 、
つぶれちゃうね 。
自分より 、ま ぶ し い も の を見たら私も潰れちゃうかも 。
ふ し ぎ ダ嬭����� !
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!