目が覚めた
家のベッドの上だった
コンコン
俺はさっきまで幸輝がつくった世界にいたはず…
…そうだ、今は何年だ?
机の上に置いてある卓上カレンダーに目を向ける
2015年…?
俺は、昨日まで…ついさっきまで…
部屋の中を見て気づいた
壁掛け時計がやけに高い位置にある
いや、俺が小さくなってるんだ…
2015年ということは…俺は3歳か…
…なら演技の時間だな
幼児を演じないと、母さんに不審がられる
紗羅を起こしに行かないと
…返事がない
ガチャ
…紗羅がいない
…そうか、2015年
俺は3歳、紗羅とは3歳差
まだ、生まれてないのか…
…なんか、久しぶりだなこの感覚
…あぁ、そうだった、俺は母さん似だ
紗羅は父さんによく似てたんだ
これは、本当に過去の俺なのだろうか
どこか違うパラレルワールドなのではないか
部屋の間取りも家具の位置も、何もかも変わっていない
けれど、何か違う
母さんがもうすぐ出産予定日だからだろうか
俺の背丈の問題だろうか
紗羅がいないからだろうか
どうしても何かが違う気がしてならなかった














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!