おにーさん改めなぐ兄さんはにこにこと笑いながら
俺の手を引く。
その『本部』を“視て”俺は悟った。
俺は不思議に思いつつも『本部』に入る。
本部に入るとなぐ兄さんは
「君の部屋は上だからエレベーター乗るよ〜」と言って
俺を抱き上げた。
俺は横を見るとそこには上機嫌ななぐ兄さんの姿が。
一応反転術式を回したもののやはり
時間が経つと治りにくくちゃんと手当てしなければ
治らない傷もありその1つが足だ。
あと1つは手の甲だ。
ダラダラと血が溢れて来ている。
なぐ兄さんは俺が大人しくなったのを見て
エレベーターに乗る。
そしてつくのを待っているうちに
呪力消費によるものかそれともただ単に疲れた
だけなのかはたまた両方なのかはわからないが
強烈な眠気が俺を襲う。
全てを言い切る前にそこで俺の意識は途切れた。
真逆の記憶喪失だとか。
まああんまり信じてないけど〜っ。
僕は僕の腕の中で眠る少女の寝顔を見ながら微笑む。
僕にはその寝顔が愛らしくて愛おしくて
仕方がなかった。
たった数回しか話してないのに君の“偽り”の笑顔を
見ていると本物の笑顔が見たくなったんだ。
僕も知っている“偽り”の笑顔。
君のひとつひとつの動作。
全てが愛おしくて仕方がなくなった。
そして君を傷つけた連中がいると思うと
心底不愉快だった。
ドロドロとした止めどない『愛情』。
君のその眼に映すのは僕だけでいいんだ。
でもきっとそんなことをしたらあなたの下の名前ちゃんは怖がって
逃げちゃうかもしれない。
『そんなこと許さない』
君のことはゆっくり、じっくり僕に依存させる。
南雲のその笑みはいつもの軽薄な笑みではなく
不気味な底の知れない笑みを浮かべていた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。