第3話

罪悪感の比例式
663
2020/04/09 09:38
柏瀬 悠葵
ポケー
田中 樹
かーしーわーせー!
柏瀬 悠葵
・・・なんだよ
田中 樹
いや,別に用はないけど,柏瀬の顔が死んでたから
柏瀬 悠葵
どんな顔?
田中 樹
The・無気力
森本 慎太郎
こんな感じじゃね?(大袈裟)
柏瀬 悠葵
プハッ
流石にそれは無いだろ
な?北斗
松村 北斗
・・・してた
柏瀬 悠葵
おい!
ジェシー
え,見えなかった!
もう一回やれよ
森本 慎太郎
(もう一回)
ジェシー
AHAHAHAHA!
柏瀬 悠葵
うるさい
京本 大我
SixTONESではもう,うるさいのが普通だから
高地 優吾
うるさいないほうが普通じゃない
柏瀬 悠葵
こーち黙れ
高地 優吾
なんで俺だけ!?
柏瀬 悠葵
こーちだから
こんな日々が,楽しい
SixTONESのメンバーとして,皆が私を受け入れてくれているから
でも私がここに来たのは,兄の夢を,代わりに叶えるため
だから,時々胸が痛む
皆は何も知らない
私が男装していることも
私がここにいる理由も
柏瀬 悠希という存在も
本当の私も
騙し続ける罪悪感が,楽しい日々と比例して増えていく










田中 樹
あ,悠葵
柏瀬 悠葵
ん?
田中 樹
今日飲みに行かね?
二人で
ジェシー
俺も行きてー
田中 樹
二人でって言ってるだろ
柏瀬 悠葵
・・・ごめん
今日,どうしても外せない用事があるから
田中 樹
そっか
柏瀬 悠葵
明日なら平気だけど,明日空いてる?
田中 樹
空いてる
じゃあ,いつものところな
柏瀬 悠葵
おう






樹,急にどうしたんだろ
樹が誘ってくるときは大抵何か相談とかがある時
だけど今日は,悠希兄に会いに行く日
なにがあっても譲れないから
ごめんね
ごめんね
何回言っても足りないから
でも,言えないの
童話に出てくる女の子だって,意地悪な家族への文句を言えなかったじゃない

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