灰人の傍らで丸くなっていた黒猫が起き上がり
暗闇のなかで目を光らせ、じっと見る
翔だと確認すると、とことこ歩いてきて
脚に体を擦り寄せてくる
頭を撫でてあげると
気持ちよさそうに目を瞑る
灰人はベッドで寝息を立てている
開きっぱなしの本が傍にあるから
多分、読んでる内に寝落ちしてしまったのだろう
翔は苦笑いして
お土産に買ってきたケーキを冷蔵庫にしまう
わかってきた事は
灰人はよく寝る子
そして、甘えたがりな事
………生きてきた環境を考えれば、無理もない話
此処が、灰人にとって安心できる場所なら
翔にとっても嬉しい
起こさないようにゆっくりと、灰人の頭を撫でる
艶のある濡れ羽色の髪
さらさらで、触るととても気持ちいい
もっと、色んな表情を
泣き顔だけじゃない
怒ったり、笑ったりする顔が見たい
もっと、君のことを知りたい
心は見えないからこそ
言えない想いも、言葉に乗せて
ずっと、今よりも君の傍にいれるように
……そう思うのは、自分の勝手なエゴなのだろうか
✩.。………………………………………… 。.✩
かいくんの嫌いなもの知ってる人いませんか……?🥺

















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!