あなた「おはよ。準備終わったよ」
一条「お父様とお母様がお待ちです、行きましょう。学校の手荷物お持ち致します。」
あなた「うん。ありがと。」
重い腰を上げ、出来れば開けたくなかった部屋のドアを開ければ、
すぐそこに一条さんが待機していた。
毎日毎日寝坊や遅れることなく、必ずこの時間に私の部屋に来てくれることに対しては少々感心をする。
風邪とか引かないのだろうか、この人は。といつも疑問に思うが…
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一条「今日はピアノの習い事が入ってますね、学校が終わったらお迎え行きますね。楽譜はこちらで準備しておきます。あ、あとそれから__」
あなた「あーうんわかったわかった。ありがとう」
部屋を出てからすぐに彼が自分の手帳を開き、私にそこに書いてあるであろうことを読んで聞かせた。
朝ごはんの前にいつも、一日のスケジュールをササッと大まかに確認するのがルーティン。
これもまたあんまり好きではない。
一条さんには申し訳ないけど、こういう朝からぎっしり詰められたスケジュールを聞かされるのもなかなか酷なものだ。
だから聞いているけど、半分聞き流すようにしている。
そうでもしないと疲れてしまうから。
一条「____という感じですね。」
あなた「うん。ありがとう」
そして彼がスケジュールの確認を一通り終えた時この後私はいつも試すことがあるのだ。
あなた「ねえ、私車で迎え来られるの結構恥ずかしいんだけど、。」
それは、こうやって「放課後くらい1人にして欲しい」という意味を込めてさりげなく聞いてみること。
でもそう聞くはいいものの、
一条「どうしてですか?」
あなた「だって、誰も迎えとか、車で来てる人なんて居ないし。注目浴びるの嫌だし」
一条「と言われましても…、お父様から言われてますので僕からはなんとも…すみません」
こうやってキッパリ断られるのだ。
あなた「…そうだね」
このように、だいたい1週間のうち毎日ではなく3日ほど、さりげなくダメ元で制限を緩く出来ないかと試みるが
今のところ全部玉砕している。
直接お父さんに言ってもどうせダメで、お母さんに言ってもお母さんはお父さんに伝えちゃうし。
結局何しても無駄なのかもしれない。
と心の中では思っているがいつもやってしまうのだ。
あなた「おはようございます。」
食堂に着いて中に入る前に挨拶をする。
これがまず小さい時から教えられてきたルールその1
自分の中では何故ここまでしなくてはならないとかと思っているが、ずっとやってきたことなので何も言わないようにしている。
できることなら顔を合わせた時におはようって言いたいものだけど…。
挨拶したあと、中に入ればそこには既にお父さんとお母さんが座っていて、
私もその場に向かい、自席についた。
父「おはよう」
あなた「おはよう、」
穏やかに微笑みながら私に挨拶をしてきたお父さんはいつもよりご機嫌に見えた。
何かいい事でもあったんだろうな、。
そう思いつつ、父にはあえて何も聞かないまま
目の前の食事に手を合わせた。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。