エナさんが声をかけた。
今日から、訓練が始まる。
私はちょっと緊張していた。
訓練って、どんな感じなんだろう…?
エナさんについていき、古びた階段を登る。
窓から映る景色を見て、あぁここは空の上なんだな、と再び実感する。
レトロな赤い屋根が下に見える。
人間が蟻みたいに小さい。
立ち止まったのは、マットや跳び箱が置かれている場所だった。
えっと、マットや跳び箱で何かするのかな…?
体を、ほぐす…?
どうやるんだろう…と思っていると、後ろからバファリさんが顔を出した。
あ、マッサージなんだ。
よかった、なんかバレエみたいな特訓されるのかと思った……
エナさんはそう言って足を肩幅に広げた。
対戦訓練……つまり実践みたいなものか。
やるからには勝つ。勝ちたい。
エナさんとバファリさん、強そうな感じがするなぁ……大丈夫かな。
バファリさんはそこまで言って、エナさんの方に目を向けた。
エナさんはニコッと笑って手を「こっちこっち」というふうに振った。
言われるままにそちらへ行く。
女子組は右、男子組は左の戦場のように作られた場所で戦うようだ。
私は「やってくれ」と思いながらルアに目を向けた。
ルアも同じだった。
え、先にやってくれよ、頼むから。
エナさんどういう技を使うかわかんないんだからさ…
すると、エナさんはふふっと笑った。
ルアはブルブルっと首を横に振った。
ルアは私の背中をドンと押した。
え、ちょちょちょ、私そんなこと言ってないんだけど!?
うっ、エナさん気づいててニコニコ笑ってやがる…
くそっ、どうせやられるんだ、当たって砕けろ、リアネ‥















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。