初兎 視点
心配で見に来たらこんな光景が
待っていたなんて思いもしなかった..
僕の目の前にな1つのカッターと
血だらけのまろちゃん...それから、
涙よような物が付着した僕たちのグッズ..
..このグッズはおかしかった。
まろちゃんだけが黒く塗りつぶされている
これはまろちゃん本人がやったのだろうか..
それともッ...
ダメだ..僕。泣くのな後や、
先に救急車に連絡して..メンバーにッ...
メンバーに...
メンバーにその連絡は必要なんかな..
もう。まろちゃんはあいつらの中では
"いれいすメンバー"ちゃうんやろ..?
ならッッッ..
息..しとるッ..!..急いで救急車...ッ
🏥📞:こちら、DICEPARCO1013です。
ご要件は
🏥📞:承知致しました。場所は
🏥📞:すぐに救急車を向かわせます。
どのような状態ですか
🏥📞:.....今すぐに腕の止血、消毒を
お願い致します。5.6分後に救急車が
到着する予定ですので。
🏥📞:それまではそちらの方で
よろしくお願い致します。
ッー ッー📞
....どうしよう..ッ
..止血、止血ッ
まろちゃんは返事をするかのように
無理な呼吸をする。
意識なんてもうあるはずも無いのに..
不思議なこともあるものだ
なんとか冷静を取り戻した。
急いで応急処置をしなければ..
🚑💨
涙を我慢しながらお辞儀をした。
僕も救急車に乗った..救急隊の人が
呟いた言葉に怯えながら
嫌やッッ..死ぬなんて嫌ッ
あの時僕が止めていればッッ...
我慢していた涙が考えれば考えるのほど
出て来る。...あの時僕が止めてあげられていたら...
気づいたらまろちゃんの病室に居た
そこには、腕中包帯だらけのまろちゃんがいた..
...どうやら助かったみたいだ
助かった...生きてるッ...
まろちゃんが目を覚ました..だけど
声を出すのが苦しそうだった。
「しょにだ」というたった3文字も
言えない..もうまろちゃんの声は
このまま出なくなってしまうのか..
まろちゃんの声が...出ない
どんなに一生懸命出そうとしても、
声が出ないんや....
ギュッ
まろちゃんは、確かに大丈夫と
言おうとしてくれた。
自分がこんなに傷ついたのに、
「大丈夫」なんて完璧すぎる..
優しすぎる....
ほんまは、大丈夫じゃないやろ?
全然..大丈夫じゃないんにッ....
無理せんくていいんにッ...ごめんなぁ..
ほんまに..ごめんなぁぁ...ッッ
....ッ
ガラガラッ🚪
いむくん....ッ..いむくん..
いむくんも...味方なんかな..?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。