その日も暖かかった。花ももうすぐ咲き始めるだろう。
ふと声のするほうを見ると、そこにはユウがいた。
澄怜にとってはただの登下校の道。ユウにとっては知らない道。はじめて表世界に行った時に通った道。表世界に言った場所で再開した。
生暖かい風がサラッと顔をくすぐった。
澄怜は申し訳なさそうな顔をした。
僕には僕の生活がある。僕には多くは無いが友達が居る。対して大きくは無いがやりたいこともある。だから、そちらには行けない。
無理やり植え替えても、枯れてしまう花もある。花が好む場所にそっと置いておくことが優しさだということもある。
ユウは残念そうにそう言った。
紫色が1人増えるだけで組織は更に力を持つ。
ここから始まる。花壇にいる花たちの第1の作戦が。
4月、桜が咲き、辺り一面優しいピンクになっている。新学期ということで、ピッタリの制服を着ている人、ブカブカの制服を着ている人がごちゃ混ぜに校舎の入口に入っていく。
浮かれてる人たちを静めるように、先生が教室に入ってきた。
教室が少し賑やかになった。
こうして、何も変わらない高校3年生の生活が始まった。
to be continued…


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!