前の話
一覧へ
次の話

第1話

Prologue
118
2026/03/31 22:00 更新





  _________ 時の花畑ホーラーキーポスルルディオン



  その場所には花が咲いている


  雛菊、桜、アネモネ、コスモス、撫子、向日葵、


  水蓮、フリージア、ポピー、ダリア、百合、鈴蘭、


  シクラメン、ポインセチア、菜の花、勿忘草、


  ネモフィラ、芝桜、ライラック、ヒヤシンス、


  芍薬、アマリリス、カンパニュラ、桔梗、ビオラ、


  金魚草、紫陽花、チューリップ、スイセン、ミモザ


  四季折々の華麗な花々が咲き誇るその様は


  まさに百花繚乱、花鳥風月といった言葉が合う


  さらにそれを引き立てるかのように、


  柳やコロラドトウヒ、白樺などの樹木が


  侘び寂びを感じさせながらも


  自身の持つ輝きを失うことなく悠然とそこにいる


  それだけではなく


  この場所で生きとし生ける生命もまた違った


  翼の生えた野兎、虹色の鱗を纏う蛇、


  病を吸う神の遣いの鳥、


  2つのツノを持つ翼の生えた馬、


  鷲と獅子を半身に宿した生物、


  ヴェールを纏うクラゲ、炎を纏う白虎、


  不死鳥とされる霊鳥、炎を纏う鳥、


  光を放ち加護を与える多種多様な精霊達、


  白き竜、漆黒の龍、翼を持つ蛇、


  数多の能力の数だけ己の尻尾を持つ狐


  そこに住まう数多の生物達もまた麗しく、


  まさにこの“時の花畑”は桃源郷、聖域といっても


  差し支えのない程に美しい場所である





  そんな美しい景色や生物達が住まう中でも、


  一際美麗な女神がひと柱


  その女神の名は“エイレーネー”


  平和を司る麗しい女神である
  

  彼女だからこそ、


  “時の花畑ホーラーキーポスルルディオン”のような楽園が作れることを


  身をもって示している


  初めて彼女を見た者は目を奪われ


  次に心をも奪われる程の容姿を持ち、


  万物に対して慈愛の心を持つ慈悲深き女神である


  彼女だからこそなのだろう







     「 キレると普段の100億倍怖い 」





エイレーネー
あんのクソ神ィ”ィイィイィ”イイィィ!!!






  彼女が怒る時、それ即ち誰にも止められぬ怒り


  彼女が怒る時、それ即ち神も人も抗えぬ


  彼女が怒る時、それは自身の愛する平和が乱れる時





  その言葉通り、彼女が怒ることは滅多にない


  だからごく稀に怒るその時、


  それはある一種の終末を意味する


  彼女が怒れば自然や万物が憤怒すると畏怖される程


  彼女が怒ることは滅多にないし恐ろしいものだ



  



  さて、そんな彼女を見て気になることがあるだろう


  “何故彼女は怒っているのか”と


  普段は心優しく温かな慈愛で包み込む女神が


  突如怒りを露わにするほど許せないものとは、と


  それは一体誰が何をしたのか、と





  



  その答えは単純明快、


  “神vs人類最終闘争”


  即ちラグナロクの開催を“勝手に”決定したからだ


  “勝手に”という表現よりも今回の場合は


  “知らぬ間に”という表現が適切かもしれない


  その言葉通り会議に出席はおろか


  内容も今のいままで彼女だけ伝達されていなかった


  自分の知らぬところで事が進む事も許せないが


  何よりも許せないのが、


  戦いの敗者が必ず魂の消滅ニブルヘムすることである


  勝手に終末を決め人類を滅ぼさんとする神々である








  そんな様々な事柄に対する怒りが爆発し青筋を立て


  最早平和の神か疑う程の形相の女神であったが


  すっと顔を下に向け深く息を吸い精神統一をした後







エイレーネー
白虎






  そう自身の契約聖獣の名を呼び、


  やってきた白く輝く美しき毛並みの虎を撫でてから


  そっとその毛並みの虎の体に手を置き


  森がゆらめくが如く静かに怒りを込めた目をし、


  そっと誰かに語りかけるように





エイレーネー
行きましょうか、ヴァルハラ闘技場へ





  そう一言だけポツリと言い残し、


  瞬き一つの間に時の花畑ホーラーキーポスルルディオンを後にしていた





プリ小説オーディオドラマ