そう看護師の母から言われたのは
幼稚園の時。
あれが私と、可愛い男の子の出逢い。
今は可愛くなんてないけれど…
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母side…
あなたにお友達になって欲しい子。
その子は私が務める病院に最近入って、
これから長期間入院することになった。
でもその子は、
自分の意思や感情を表に出さない。
ただ単に恥ずかしがり屋なだけでは、なさそうなんだ。
その時は新しいお友達に胸をふくらませて、
嬉しかったけれど、
私が思っていた友達とはかけ離れていた。
暗く、深い闇の中にいて、
私には到底入ることの出来ない、関わることすら許されない
そんな人だった。
🏥…
🚪309
コンコン🚪
シーン…
…
今でもはっきりと思い出す。
重く響く声。
・
彼の部屋は薄暗かった。
でも、
もっと暗いのは
彼の瞳だった。
怖くて、震えそうだった。
友達というものを明るいと信じてきた私は
友達が彼にとって暗いものだと理解した。
でも、その理由だけは
理解《したくなかった》
気づけば彼のベッドの上に這い上がっていて、
彼のシーツを涙で濡らしていた。
そんな私の言葉から逃げるように彼は目を逸らす。
でも、ぼそりと、
少し前の私の問いに答えてくれた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。