そう問うたアタシの疑問をおじいさまは軽く笑いだした。でも、その笑いかたはどこか寂しさも感じさせるようなそんな含みも見えた笑いかただった。
コホンと軽く咳払いをした後に、分厚い唇を開く。
本当はお父さんがおじいさまの跡を継ぐ予定だったんだ···。
当たり前なことでも、アタシには次元を越えた話にしか聞こえなかった。
上半身を起こした後に、アタシの肩をバシバシと力強く叩きはじめた。
おじいさまの口調が好奇心旺盛の少年の話し方をしてたのが、かわいくて可笑しかった。
正直な話···アタシの志望高校は友達が皆そこに行く理由だけで第一志望と勝手に決めていた。でも、今まで不真面目に勉強をサボっていたアタシにはハードルが高かった。
でも、今から志望校を変えることが本当に可能なら···勉強もそこまでしなくてもいいのでは······!!
こうしてアタシは公立高校からお嬢様学校へと志望校を変え、翌日にはおじいさまが住んでいるというお屋敷に居候うすることになった。
今思うと、あの時のアタシが馬鹿すぎる思考だなと疑った。
おじいさまが背負ってた『当主の責任』についてちゃんと向き合っていなかったから。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!