第20話

悪魔契約パロ ドラゴンベリー
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2026/01/20 16:10 更新
血と魔力の匂いが、空気にべったり張りついてる。

トラウトは膝をついていた。

「……っ、は……」

呼吸がうまくできない。

魔法はもう、まともに形にならない。

敵はまだ立っている。

数も、力も、完全に負けてる。

「……やば……」

笑おうとして、失敗した。

(あー、これ、死ぬやつだ)

その瞬間。


空が、割れた。

雷でも、爆発でもない。

“裂けた”という表現が一番近い。

ごう、と重低音が響いて、

空気そのものが押し潰される。

敵も、トラウトも、思わず見上げる。

――影。

いや、鱗に覆われた巨体。

光を反射する金属みたいな鱗、

大きく広がる翼、

長くしなる尾。

そして、燃えるような瞳。

「……は?」

トラウトの口から、間の抜けた声が出る。

次の瞬間。

炎。

理性を焼き切るみたいな、白に近い光の炎が、

敵を一瞬で飲み込んだ。

悲鳴すら、上がらない。

静寂。

重たい着地音と一緒に、

その存在が地面に降り立つ。

トラウトのすぐ前。

「……遅くなってごめん!!トラ!!」
「ベリーの体力全回復!!時間稼ぎありがと!!」

声は、知ってる。

「……ベ、リー……?」

巨体が、光に包まれていく。

鱗が砕けるように消えて、

翼がほどけて、

最後に残ったのは――

いつものベリー。

でも。

その背中には、光の痕跡が残ってる。

トラウトは、震える声で言う。

「……なに、あれ」

「ドラゴン……?」

ベリーは笑う。

「うん」

「正確には、“ドラゴンに近い何か”かな〜」

「……聞いてないんだけど…」

「言ってなかったからねー」

悪びれない。

ベリーはトラウトの前にしゃがんで、

傷だらけの体を見て、眉を下げる。

「無茶しすぎ!」

ベリーはトラウトの額に、軽く指を当てる。

「トラが死ぬなんて嫌だからね!」

その言葉に、トラウトは何も言えなくなる。

ベリーは立ち上がって、空を見る。

振り返って、少しだけ、怖い笑顔。

トラウトは、震えながら笑った。

「……いや、あれは
最終手段にして……」

「約束はしないよ〜?」

くすっと笑うベリーの背後で、

一瞬だけ、竜の影が揺れた。

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