第37話

#35 __𝑒𝑛𝑑
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2024/05/06 01:16 更新
警備員「おい君たち、そこで一体何を……?!」








銃声を聞きつけてやってきたであろう警備員。









快斗は、警備員を混乱させないよう、

あらかじめKIDの衣装を脱ぎ、普段着を身につけていた。











警備員「答えないか?!何だ今の破裂音は?!」










快斗「警察を呼んでください」













警備員「っ……?!」







快斗「生憎、携帯を持っていないので、お願いします。事情は後で」










警備員「……あぁ、もう警察は呼んでいる。そこに誰か倒れているよな?救急車も必要か……」










快斗「いりません。彼はもう……亡くなっていますから……」











工藤新一は、死んだ。

今度こそ、何の偽りもなく。









偽りであって欲しかった。









だが、体はとうに冷たくなり始めていた。






夜風が当たって、尚更だ。


























快斗「……お前1人で逝くなよ……宮野志保だって、悲しんじまうだろうが……」
































***













《モリアーティが死んだって……どういうことですか?正体は結局分からずじまいだそうで……》

《突然の死……やはりあの詩に、意味が__》










志保「全てが……終わったのね、工藤くん……

あなたも結局はいなくなってしまった……」







私は机に置かれたひとつの封筒を眺める。







今日開けるようにと、彼が言い残していった手紙だった。







丁寧にハサミを口に差し込んで、開封してみる。



ーーーーー


宮野へ








今頃、俺が死んだってニュースが流れているんだろうな……



本当に悪かった。

今までのこと、全て。

正直、俺の事はお前が殺して欲しかった。

俺のせいで、お前を苦しめた、縛り付けた。

宮野との約束を守れなかった俺を、あの世で殴ってくれ。






お前の好きなだけ。








最後に。

さようなら、宮野。

本当にありがとう。





ーーーーー





最後に、当たり前につくような、

"お元気で"といった相手の健康を祈る言葉。




それが無かったのは……

新一が、ずっと死にたいと願っていた彼女を思っての事だった。







志保「貴方は何も悪くない。なんで謝るのよ……

こちらこそありがとう、工藤くん。

私が1番伝えたいのは……感謝の言葉。








ようやく、博士……お姉ちゃん……皆んなのところへ行ける」











そう言うと、宮野志保は“幸せ”そうに微笑んだ。















***





取調室……





快斗は、工藤新一が最期に語った事を、

ゆっくりと記憶を遡りながら、丁寧に説明した。










佐藤「工藤くん……まさか、生きていたなんて」





高木「彼がモリアーティなら……合点がいきます。あんな完全犯罪、凡人が出来るはずもない……」









目暮「……ホームズがモリアーティとは、とんだ皮肉だな……」













そしてもう一つ。













快斗が伝えたかったこと。
















佐藤「それで、黒羽快斗くん……君が怪盗KIDだなんて、本当なの?」










快斗「……えぇ、だから彼に呼ばれたんです。
きっと、最期を見届けて欲しかったんでしょうね」








快斗が俯き、苦笑しながら言うと、

目暮が首を横に振りながら応えた。












目暮「いや、工藤くんはそんな人間ではないよ……反面教師として、君に犯罪から手を引いてもらいたかったんじゃないかね……」












目暮警部の言葉を、快斗は正直信じられなかった。






なら素直にそう言ってくれればよかったではないか。







わざわざ死んで分からせる必要も無かったではないか。






























快斗「……不器用にも程がありますよ」











高木「いやぁ、意外に彼、不器用なんじゃないかな……僕から見て、だけどね」











高木刑事は明るく言ったが、その声色とは裏腹に



内心はかなり辛そうだった。











快斗「そんな、ですか?」









目暮「あぁ、間違いないよ……死に際、1人が怖いからと、わざわざ君を呼んだりはしない。
呼び出したのには、それなりの訳があったんだよ……まぁ、あくまでも、推測でしかないがね」













快斗「仮にそうなら、アイツは"最後"まで……"最期"まで……カッコつけすぎですよ……っ」




佐藤「黒羽くん……」















死んだなんて……





まだその事実を受け入れたくない自分がいる。





あぁ、泣いたってどうにもならないのに。




















快斗は、頬を伝った涙を服の袖で拭った。





そして、全てがどうでも良くなったかのように、


ため息をついて。




独り言を呟いた。




現実から逃げたかった。

否定したかった。

拒みたかった。




















快斗「あんな真実なんていらない……

早く……


































夢から覚めてくれ」









































Tell me a lie🥀𓈒 𓂂𓏸

~𝐄𝐍𝐃~

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