りょたside
パラパラパラ
教壇に立ち授業を進める先生の目の前で机に突っ伏す翔太
翔太が先生に怒られそうで不安すぎる…
いつまでああやってるつもりなんだよぉ…
ほらやっぱり💦
先生怒っちゃったじゃん…
それでも構わず顔を上げない翔太
眉間に手を当ててがっくりと肩を落とす先生
翔太がこうなったのには訳がある
時は戻り数時間前
開始のチャイムが鳴り1限目が始まった
翔太とは昔から出席番号がひとつ違いなので席が必ず前後になる
なので毎回何か理由を付けては俺に話しかけてくる翔太(正直怒られそうなので頻度を減らして欲しい)
いつものように号令をかけ、授業が始まると思っていた
突然のことにざわめく教室
勢いよく振り向く翔太と顔を見合わせる
席が離れるのではないかという不安とまだ馴染みきれていないこのクラスで交友を広げるというワクワクで複雑な気持ちだ
…翔太は死にそうな顔をしているが…笑
俺達は運がいいのか、毎度毎度の席替えは必ず隣や後ろなど近い場所になるし、クラスか違ったことなんてなかった
中学生になり、初めての席替え…
どうなるのだろうか…
先生が1番の子にくじが入った箱を渡し、そのままぐるぐると回っていく
ねぇ、ほんとに泣かないでよ…?笑
最後の子がくじを引いたところで、みんなが自分の番号と黒板の番号を交互に見比べる
廊下側の前から5列目
暑い時にはエアコンの風が当たる場所
うん、比較的いい席だと思う
アリーナと呼ばれる教壇前の最前列
全ての行動が先生にばっちり見られてしまう場所だ
初めてこんなに離れてしまった
とりあえず絶望する翔太を置いて自分の席を動かす
ぎこちない彼を落ち着かせるように笑いかける
名前を呼ばれたような気がしたので、ちらりと向こう側に集まる女の子達に目をやる
…翔太の隣、女の子……
無事(?)に翔太も机を移動し席に着く
多少黒板が見にくいかもだが、結構過ごしやすいのではないだろうか
ここからなら翔太の様子が見える
いや、返事してやれよ
そのまま1限目は周りの席の人達との雑談で終わり、休憩時間に翔太の元へ寄るも魂が抜かれたように突っ伏していた
そして今に至る…
どう答えればいいかもわからず黙っていると、翔太がばっと顔を上げ涙目で懇願する
「席隣にして」と言っている、のだろう…
そんなこと俺に言われてもなぁ…
先生が喋るとすぐにまた元に戻ってしまい、先生は悔しそうに下唇を噛む
信じられないと言うように先生の声が裏返る
申し訳なさで頭を下げる
本当にこの片割れは…
後藤くんの横顔を覗いてみると驚きの余り、目が潤んでいるように見えた
そして翔太はるんるんで机を動かし、途中後藤くんに耳打ちしたと思ったらまた笑顔で俺の隣に座ってきた
こいつ…まったく…
こいつ…
先生もう呆れちゃってるぞ
うんうん
俺もそう思う 前よりめんどくさくなっちゃった
三者面談、母さんだったらいいね笑
半べそかきながら教科書を開く翔太を横目にシャーペンを手に取った















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!