濵田くんは何を考えているのか
わからない表情でそう言った。
結局、濵田くんの疑問には答えられずに
会社に着いてしまった。
別に、答えないといけなかったわけではないし、
彼氏だったとしても濵田くんには関係ない。
そのはずなんだけど、なぜかモヤモヤしている。
会社まで来て私に用なんて、
誰が来たのかわからなくて少し怖かったけれど、
すぐにその心配はなくなった 。
目の前にはお弁当を持ったよしくんがいた。
朝あのことがあって、
よしくんが作ってくれたお弁当を
持っていくのを忘れていたみたい。
そう言って渡してきたものは
二日酔いに効くエナジードリンク。
じゃあな と言って、笑顔で手を振って帰っていった。
ジフンさんに食い気味に誰か聞かれたけど
知り合いだと答えるのも、
お弁当を作ってくれる仲で収まらないだろうし。
なんて答えるのが正解かわからないんだけど
話を曖昧に流していたら諦めたみたい。
隣の濵田くんはそれだけ聞いて、
すぐ自分の仕事に取り掛かった。
もう少し聞いてくれてもよかったんだけど…
よしくんが作ってくれたお弁当には
綺麗な黄色の卵焼きに、色とりどりの野菜が
丁寧に盛り付けてあった。
普段お弁当なんか食べなくて、
いつもコンビニでおにぎりやパンを食べていた私には
誰かが作ってくれたお弁当がとても嬉しかった。
お弁当と一緒に入っていた小さなメモには
午後からもがんばれ と書かれている。
すぐによしくんにありがとうとメッセージを送り
お弁当の卵焼きを口に運んだ。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。