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第1話

第1章 命令1
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2019/05/22 09:08
6月16日 AM0:00
今日も練習がハードでクタクタなまま寮のベッドに寝転んだ俺はずーっと何かをするというわけでもなく、
ただ天井を見つめていた。
その時、
プルルプルル。
川「…こんな時間に、一体誰だ?」
俺は訝しげに携帯を開いた。
【受信メール1件】
【6/16 0:00 送信者:王様 件名:王様ゲーム 本文:これは白鳥沢、青葉城西、烏野の男子バレー部全員で行ってもらう王様ゲームです。王様の命令は絶対なので24時間以内に従ってください。※途中棄権は認められません。命令1。白鳥沢 白布賢二郎、川西太一、川西太一が白布賢二郎の頬を叩く。】
川「は?…なにこれ」
俺はメールを読んでも意味がわからなかった。
誰が送ってるのかよく分からない。
なんのイタズラメールなんだ。
そう思い携帯を閉じようとした瞬間、あの人物から着信があった。
川「もしもし?賢二郎か?」
白「……おう。お前にも、王様メール届いたか?」
川「届いてる」
白「チッ…やっぱりな」
川「…やっぱりって?」
嫌な予感がした。
白布の様子からして、答えは1つだろう。
白「お前と俺以外にも、あのメールに書かれていたとおり、バレー部全員に届いてた」
川「まじで…か」
白「んで明日、朝練の時間に話し合うんだと」
川「分かった。わざわざ電話ありがとな」
白「別にいい。それよりお前、確か王様ゲームっていう本読んでなかったか?」
少しトーンの下がった賢二郎。
確かに賢二郎の言う通り、俺は最近王様ゲームという小説を読み始めていた。
思い出した。
その小説にもさっき届いた王様メールが届いていた。
……そして、最後には……。
川「…まあ、まだ途中だけどね」
白「…ふうん。俺の聞きたいことはそれだけ。じゃあな」
そこで通話は終わった。
川「なんで…俺らに…」
理由はいくら考えても分からなかった。
でもこれだけは分かる。
今後……いや、明日かもしれない。

必ず、被害者が出るはずだ…。



6月16日 AM6:35
白鳥沢学園男子バレーボール部部室。
瀬「えーと、とりあえず確認な?メールが届いているのは、バレー部全員じゃなくて、レギュラーとかスタメンってことでOK?」
白「はい。昨日…というかメールが届いてからすぐ確認しました」
大「なるほどな…」
天「でもさー、これってニセモノなんじゃナイ?」
山「その可能性も無くはないな」
天「でしょ〜!ねェねェ太一もそう思うよね!」
川「…はぁ、そうですね…」
瀬「しかも、届いてるのは俺らだけじゃないもんな」
そう。メールには烏野と青葉城西の文字が。
…あ、そういえば俺及川さんのLINE何故か持ってたんだ。
……聞いてみようか。
川「あの、すみません。俺電話かけてきていいですか」
牛「ああ、行ってこい」
川「ありがとうございます」
そういい俺は部室から出て及川さんに電話をかけた。
及『…はい』
川「あ、俺白鳥沢学園の川西太一です」
及『あ、川西くん?久しぶり』
川「お久しぶりです…あの、急なんですけど本題入っていいですか?」
及『いいよいいよー』
川「…及川さんのところにも、王様からのメール、届いてますよね?」
向こうで息を呑む音が聞こえた。
及『…うん。届いてる』
川「…そう、ですよね」
及『…あ、休憩、終わるからもうきるね』
川「今休憩中だったんですか。ありがとうございます」
及『及川さんは優しいからね〜。じゃ、またね』
そこで通話は終わった。
及川さんもあのメールに関してはなにか知っていそうに聞こえた。
だとしたら、一体何を知っているのだろうか。
俺も人のことは言えないけど…。
あとは、烏野か。
昔は強豪校だと聞いたことがあった。
でもココ最近『落ちた強豪、翔べない烏』などと比喩されているようで、俺も高校に入ってからは気にすることは無かった。
しかし、俺が2年に上がった時、ある噂を聞いた。
『最近烏野強くね?』
『だよなー。烏、復活!って感じ?』
烏野……。
多分、入ってきた1年が凄いんだと思う。
また噂ではあるが、北川第一の影山がここをうけて落ちたから烏野に入ったとか。
……でも、なんで?
なんでこの3校なんだ。
川「って、こんなこと考えてる場合じゃない。部室に戻らないと」


続く
















































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