2人の体にどんどんと黒い炎が巻き付いていく。
こぅんは、至極真剣な顔でベルギアに向かって叫ぶ。
ベルギアは構える。
こぅんは粘液に全力の毒を混ぜ、うーすにぶつける。
うーすは見たこともない物体に理解が追いついていない。
うーすにとって、その粘液は、とてつもなくうざったく、不快なモノであった。
そしてうーすは、それを必死に惨めに剥がそうとする。
ベルギアは思い切り地面を強く踏み込む。
それはうp主が目をそらしたくなるほどに痛々しいモノだった。
ベルギアがごばらに触れようとする。
ベルギアの目の焦点がだんだんと不安定になっていく。
赤手袋がごばらの体に倒れる。
こぅんは、ベルギアの手についた粘液を取ろうとする。
ベルギアが喋るたび手は溶け、傷は深くなり、目はどんどん遠くなる。
赤手袋はただれた手で、両目を押さえる。
ごばらの酷く醜い目から涙がこぼれ落ちる。
四葉のクローバーがまた一つ散っていく。
それはまさに、運命のような出会いだった。
いや、運命そのものだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。