第41話

四葉の運命
6
2024/06/08 08:48
ふぅん
あなた…に、言いたいこと…ある…のに
いらみ
………。
ベルギア
あ゛っつ…!!
こぅん
クッ…!!
2人の体にどんどんと黒い炎が巻き付いていく。
こぅん
ねえ…!ベルギア!
こぅん
あたしに作戦があるの!
ベルギア
なによ!早く言いなさいじゃない!
こぅん
あのうーすって子のお尻に、カンチョーをする!!!
こぅんは、至極真剣な顔でベルギアに向かって叫ぶ。
ベルギア
………じゃない?
こぅん
あの子のお尻見て!あんなに大きいのに一切の防御をしてない!
こぅん
アレに思いっきりカンチョーをすれば、勝てる!
ベルギア
……分からないけど…や、やってやろうじゃない!!!
ベルギアは構える。
こぅん
あたしがあの子の気を引くから、その隙にカンチョーを!!
赤手袋
わ、わかったじゃない!!
うーす
あ゛あ゛ぁ゛ーーー!!!
ごばら
あへへへへへ!!!
うーす
あ゛あーー………あ゛?
こぅん
青液天我ブルーバリーレイアー』!!!
こぅんは粘液に全力の毒を混ぜ、うーすにぶつける。
うーす
あ゛ーがが??あ゛ゔ?
うーすは見たこともない物体に理解が追いついていない。
うーす
う゛あ゛!!う゛が!!!
うーすにとって、その粘液は、とてつもなくうざったく、不快なモノであった。

そしてうーすは、それを必死に惨めに剥がそうとする。
ベルギア
(こぅんの粘液で動きが止まったわ…!これなら)
ベルギアは思い切り地面を強く踏み込む。
うp主
うあ…、僕のお気に入りが…。
それはうp主が目をそらしたくなるほどに痛々しいモノだった。
ごばら
はぁ…はぁ…はぁ…。
ベルギア
ごばら!大丈夫!?
ベルギアがごばらに触れようとする。
ベルギア
あっ…こぅんの粘液だらけだから、さわれないわ…。
こぅん
ねえ!ベルギア!何やってるの!なんでズボンを脱がしてカンチョーをしたの!?
こぅん
粘液が指先につくだけだったら回復魔法でどうにかなったのに…。
ベルギア
いいのよ。どのみち…生きている意味なんてなかったから。
ベルギアの目の焦点がだんだんと不安定になっていく。
ごばら
赤手袋!
赤手袋がごばらの体に倒れる。
ベルギア
あえ…?魔力切れかな…?
こぅん
ベルギアッッ!
こぅんは、ベルギアの手についた粘液を取ろうとする。
ベルギア
ごばらぁ…。私ぃ…。本当は…
ベルギア
死にたくない…
ベルギアが喋るたび手は溶け、傷は深くなり、目はどんどん遠くなる。
ベルギア
もっと…生きたかった…。
ベルギア
もっと…色んなものを見たかった…。
ベルギア
この目のせいで見れなかった世界が…たくさんあったわ…。
赤手袋はただれた手で、両目を押さえる。
こぅん
ばかッ…!!何やってるの!?目が溶けちゃうよ…!!
ベルギア
そんな世界を見てみたかった…。
ベルギア
私…もう…魔力なくて…ごばらのために目とか残してあげれないけど…。
ベルギア
私のこと、…嫌いにならないでよぉ…。
ごばら
なるわけ無いでしょ…
ごばらの酷く醜い目から涙がこぼれ落ちる。
ごばら
お姉ちゃん…。
ベルギア
………
四葉のクローバーがまた一つ散っていく。
それはまさに、運命のような出会いだった。
いや、運命そのものだった。

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