第79話

救いの手
263
2023/06/28 22:12


























あなた 《ラナ》
……、?







理解が追いつかなかった。








というかここ最近、夢と現実を行ったり来たりしているせいか







どちらが現実か分からなくなっていた。













レバーの方をみると、さっきの女の人は転んでいた。









人) な、何するのよッ…!!!












そう問いかけられ、








私を救ったあの男は、微笑んで答えた。





















太宰
_私が惚れた女を、殺そうとするのが悪いじゃないか






あなた 《ラナ》
…だざ、いッ………







太宰
待っててね、今行くから











そう言って太宰は、女を縛り付けこちらへ走ってきた。









あなた 《ラナ》
だざ、い……ッ……
太宰
…ふぅ、





太宰
なんだい?
あなた 《ラナ》
い、…いや……
あなた 《ラナ》
なんで、






太宰
なんでって、何が?
あなた 《ラナ》
やめ、て
太宰
やめて?
太宰
何故だい?
あなた 《ラナ》
私は、あっちに行かなきゃ…
太宰
あっちって…どっちだ?





あなた 《ラナ》
…皆が、いる方へ






太宰
…はぁ、何を思って言ってるのか知らないけどね
太宰
別に、君が償うような罪なんてないさ
あなた 《ラナ》
… 私 は沢山の人を殺した。
あなた 《ラナ》
こんな、「楽しい」と感じるような場所にいていい人じゃ…
太宰
ふふっ、やっとだ


あなた 《ラナ》
やっと、?








太宰
_やっと、「私」になった
あなた 《ラナ》
ッ………
あなた 《ラナ》
いつの間に







太宰
そもそも、



太宰
何を勘違いしてる?
太宰
過去のことなんて、どうだっていいじゃないか
太宰
過去なんて、知らなきゃ関係ないんだから








太宰
それよりも私は
太宰
君という「人」に惹かれたんだ
あなた 《ラナ》
何言って…ッ…


太宰
それは、きっと皆同じだと思うよ




















ラナ!!!











あなた 《ラナ》
ッ……









黄昏
_俺を置いて、何死のうとしてんだよ
あなた 《ラナ》
黄昏さッ……









太宰
彼が私を助けてくれたんだ








黄昏
おい、ラナ




黄昏
…何、泣いてんだ
あなた 《ラナ》
ヒック……グスッ…









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