現代社会、様々な特徴を持つ能力「個性」を持つ人々が生きていた
そんな中の雑多ビルの一階にある
掃除屋「クリーナー」にある男性がいた
シャツは眩いほどの白さを
放っている
男はそのまま店を後にした
滅菌はそのまま店の裏方の方に
入っていった
「白色ワンピース、ソース汚れ」
と書かれている紙を確認すると
滅菌は汚れに指先を置くと
指を離すと同時にソース色の
シャボン玉が空に舞っていく
ワンピースは白色になっていた
個性 : シャボン
物体に触れると任意の範囲をシャボン玉に変え
空に放つ、変えた部分はそのまま削れる
物体の大きさによってシャボン玉の
大きさも変わり、割れると中身が
そのまま出てくる
暗闇から暗闇が現れるように
女性が現れた
滅菌は表情を変えず
返事した
戻は滅菌が削り取った部分を触ると
戻の触れた部分は輝き始めた
光が消えるとそこには削り取った
部分の戻ったワンピースがあった
個性 : 巻き戻し
触れた部分を巻き戻し、元の状態に戻せる
戻せる時間は1日程、そして戻すには
元の状態を知っていないといけない
なんて話をしながら2人共
様々な衣類を戻していっては
顧客にかえしていった
掃除屋「クリーナー」
朝10時から始まり夜の8時に終わる
予約は要らず、その場で直すことも出来る
その場合、元の写真を送って貰わないと
いけない
ここは「クリーナー」の洗濯部門、
他にも水周り部門、掃き掃除部門等がある
淡々と滅菌は「クリーナー」を出ていった
季節は冬場、鼻頭も少し赤くなって
手もかじかむ
外は暗く、街灯が光を放ち
少し安心する
.....
なんにも音がしない
人通りのない路地だからではあるが
それにしても音がしない
......
周りは白冷めていく....
白く...白く...霧が立ちこめて....
滅菌は空を見上げると一つの屋根から
赤い炎が空へ立ち上っていた
滅菌は心臓が高鳴るのを感じながら
現場に走った
現場に近ずけば近ずくほど
何か叫び声が聞こえる
その通りに出ると手から火を出している男が
隣人を襲っていた
野辺は男の炎を一つ一つ華麗に避けていく
野辺はその場に頭を抱え込んで
屈んでしまった
男はすかさず野辺に炎を....
野辺は死角から繰り出される炎を
ノールックで避けた
個性 : 空間識覚
動物の耳を使用することで
空気の振動、音を感じ取り
周りの状況を目で確認せず理解出来る
更に野辺本人は動物と同じく
見た目に反して筋肉率が高く身体能力も高い
男は炎を野辺を中心に覆うように
放った
野辺は炎の渦の中心で何も出来ずにいた
滅菌は炎に手を突っ込んだ
滅菌の手は燃え始めた
滅菌は炎の中で手を握ると
その場に大きなシャボン玉を作った
中にはオレンジ色に光る何かが入っている
滅菌は皮膚がやけ、皮膚の下がみえる
男に滅菌は問いかける
男はスッとライターを手に持った
男はライターに火をつけると
滅菌達に投げつけた
ライターはそのまま滅菌の足元で
小さく炎を揺らしている
滅菌は慌てて足元を見るが
そこにあるのは何の変哲もないライターが
炎を灯していただけだった
瞬間、ライターの炎がオレンジ色の閃光を
放ち、その閃光は青色に変わった
野辺は滅菌の体を押し飛ばすと
ライターの炎は青色の光線のように
野辺の腹部を貫いた
地面に横たわる野辺に駆け寄る滅菌
傷口はかなり高音で熱せられたのか
穴の周りの傷口は塞がっている
穴だけが奥まで見えるようになった
滅菌は地面のコンクリートを左手で
撫でるように触ると
コンクリートは、えぐり取られ
灰色のシャボン玉が浮かんだ
滅菌はシャボン玉を男に向かって吹く
男はシャボン玉に炎を放った
シャボン玉は割れ、大きなコンクリートの
破片が空から男の周りに飛び散った
男はコンクリートを避けた
道はコンクリートとコンクリートの
ぶつかった事による粉塵が舞い上がり
煙幕のようになった
滅菌は左手を野辺の腰に回すと
右手で頭の近くに手を回し
担ぎあげると近くの脇道まで走った
滅菌はその場に野辺を下ろすと
滅菌は声のする方向を向いたが
バアッンっと大きな音がその場を制した
遠くにいたはずの野辺と滅菌も
ひどいダメージを食らった
2人共至る所に火傷と
破片が爆発によって飛び散ったのか
体に少し風穴が空いていた
視界は晴れ、よく見えるようになった
道の先からカツカツと速いテンポで
こちらに近づく何かがいる
滅菌は喉に手を当ててみると
鮮血が手のひら全体を染めた
戻は滅菌の喉に触れると
目を閉じた
滅菌の喉は徐々に直っていった
滅菌は声が出る事を確認すると
戻に言った
滅菌は戻に目を向けて言った
スパッン
戻の手のひらが滅菌の顔を
ハタキ通していった
滅菌は野辺の体を両手で触れると
野辺はシャボン玉の中に入ると
シャボン玉は小さくなりリンゴほどの
大きさになった
戻は、靴をその場に脱ぎおくと
靴下のまま路地を歩き始めた
滅菌は少し口角を上げ
戻とは逆方向に歩いた
滅菌はコンクリートを削り取り
シャボン玉にすると空中で破裂させた
ドゴンドコォン
コンクリートはコンクリートとぶつかり
大きな音が鳴った
前の方から何かが走ってくる音がする
男はズボンのポケットから
ガラケーを取り出した
男は開いて数秒で
消えた
突然、反対方向から叫び声が聞こえた
甲高いその声は、聞き慣れていないながらも
誰の物か理解出来た
滅菌は走り出した
悲鳴の出処に近ずくと目に飛び込んできたのは
胸と足にサッカーボール程の大きさの
風穴が空いた戻と野辺だった
滅菌は腹の中で何かが沸き立つのを感じた
男は手のひらを滅菌に向けると
大きな光線が滅菌に向かって放たれた
目の前に来たその光線の前で
滅菌は目の前が白くなった
何も感じない
滅菌は自然と手のひらも自分の体も見えない
場所でシャボン玉を作ろうとした
時計の音は止まった
突然、白い世界は黒色に変わり
目の前に時計が現れる
それに呼応するように
時計の針は戻り始める
その勢いは徐々に早まっていった
次の瞬間見たのは暗闇
身に覚えのある暗闇
ここは
掃除屋
滅菌は戸を開け、外に飛び出していった




















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!