数時間前
朝来て図書室を開けると、早速学園長がやって来た。
いつもよりも若干不安そうな顔をしている。
こんな顔の学園長を見るのは久しぶりかもしれない。
安倍先生達は良く問題を起こす事で有名だ。
あまり関わりたくないが、どうしても関わってしまう。
その理由は、僕が惹かれているのもあるだろう。
晴明さんに、似ている。
ただそれだけで惹かれてしまっている。
この人は色んな意味で危険だ。
晴明さんを慕っている妖怪はたくさんいる。
きっと、学園長もそうだろう。
そうでなければ、京都に居る妖怪達に取られまいと僕を送らないはずだ。
口では言ってなかったけど、僕にはわかる。
僕は、心構えをしてバスに乗った。
色々振り回されまくり、ようやく自由行動。
班別で行動する時間となった。
大変ではあるが、この時間は多少楽になる。
ぶらぶらと散歩をしていると、とある神社に辿り着く。
他の神社と違って小さな神社。
鳥居をくぐってみると、そこには申し訳程度の賽銭箱と石碑がある。
“安倍晴明が◼️の妖怪を倒した地”
この石碑には簡単に言うとそう書かれている。
「此処の風は気持ちいいね。」
『はぁ…。そうですか?』
「此処で読む◼️◼️の本は面白いよ。」
『早く帰らないと色んな人心配するんじゃないんです
か?』
「お子様じゃないんだけどなぁ。」
懐かしい思い出。
それもいつしか苦しいものになる。
そうして僕はあまり使い慣れていないスマホを覗く。
2件、メッセージが来ていた。
“あなたくん、晴明くんの魂が5つに別れてもうた。”
“後四神も晴明くんの魂狙っとる。”
親友でもある神酒先生__凛くんからの連絡。
しかも数十分も前の話。
“秦中先生、青龍って人と戦ってボロボロだったから病院行ったよ。”
僕は生徒や先生達の持つしおりからの言葉を頼りに走り始めた。
今、一部の先生と生徒は最後の一つである魂を集めていた。
しかし、偶然現れた青龍に魂を取られてしまっていた。
学園長も力を使い果たしてしまい、気づけば白虎と玄武も拘束を解かれており、ピンチであった。
白虎が手を伸ばした瞬間だった。
凍るような視線。
それは聞き覚えのある声と共に放たれた。
鋭い言葉が彼らに向けて刺さる。
親友からかけられた声も突き放す。
その姿は見たことがなかった。
いつの間にか復活していた角を利用して素早く木を操る。
鋭利な木たちが彼へと向かう。
それと同じ、いや少し速いスピードで彼は本から炎を放つ。
木はあっという間に燃えてしまっている。
薄い紫が特徴的な着物に包まれている彼からは不思議な雰囲気を漂わせている。
ただ、その姿から若干のいつもの雰囲気が溢れ出る。
いつもの数十倍低い声。
それは四神達の脳を震わす。
青龍は先程までのことを考える。
きっとあのマフラーの奴の事だろう。
自身の技で傷だらけにしたことを思い出す。
青龍に手を翳そうとすると、晴明が両手を広げて青龍の前に立つ。
彼はいつもの姿に戻る。
その姿をみて晴明は安心した。
あなたの名字 あなた
種族 ?
※本から魔法のように炎を出したりも出来る。
※キレるといつもと違う姿になる。















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!