また風が強くなってきた。
この足の力を弱めたら飛ばされる。命は無い。
そう考えてみたら、事の重大さにようやく気がついた。
飛ばされそうになったメテヲさんを、レイさんが間一髪で手を掴んで事なきを得た。
いや、どうしようこの状況。
ずっと思ってるけど私がここにいる意味ってあるのかな
特に能力が使えるわけじゃないし……
いや、みんなが珍しいだけなのかもしれない
深く息を吸う
そして……
呪文?を唱えた。
気がつくと、スノー……さんの周りを雷のような結界が囲っていた。
スノー……さんの頭上(とはいってもかなり上)に黒い雲が集まった。
そして見たことも無いくらい太い雷がスノー……さんを襲った。
まもなく、風はぴたりと止んだ。
雷をくらったスノー……さんは地上に落ちていった。
私たちはスノー……さんが落ちた場所へと向かった。
スノー……さんは感電してしまったのか、その場から動けずにいた。
-世界一の大国テスマツン- ページ6
テスマツンの医療所
城の近くには医療所がある。とても優れた医療技術で、不治の病とされた病気の治療法も発見した。そんな病院には若い跡継ぎがいる。15歳ながら免許を取得していて、彼女に診察されることを希望する人も少なくないようだ。未来が明るいな。
ただ、そんな彼女に最近ある“噂”がたち始めた。
なんでも彼女が能力者であるという根も葉もない事が囁かれるようになったらしい。
嫉妬だろう。どうせ。
さて、王妃の具合でも確認しに行くかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。