──エーミール、失恋から一夜明けて。
軍寮の食堂で、真顔で白ご飯をもりもり食べていた。
ゾム「おい……大丈夫か……?」
ゾムが隣で恐る恐る声をかける。
だがエーミールは、湯気の向こうで静かにこうつぶやいた。
エーミール「……告白は、敗北した……。でも私は……」
エーミール「私はッ!!童貞のまま!!前へ進むッ!!」
あなたの名前「うるさいわ!!」
あなたの名前が後ろから味噌汁をぶっかけそうな勢いでツッコむ。
その後。
ゾム「なあエーミール、次はどんな子狙うん?」
あなたの名前「もう次の話か…」
エーミール「そうですね……次はもう少し……“私のこと、推してくれそうなタイプ”がいいです……」
あなたの名前「急にアイドル営業みたいなこと言うなや」
ゾム「まぁでも今回でお前、童貞レベル1→3ぐらいにはなったやろ」
エーミール「本当ですか!?」
あなたの名前「それは童貞のレベル上がってねぇーか?」
ゾム「確かにどちらかというと非童貞レベルやな」
エーミール「なんかRPGみたいですね」
あなたの名前「“女の子と2人でカフェ行った”だけでレベルアップするお前のRPGゆるすぎやろ」
ゾム「次のボスは“LINE続かん女”やな」
エーミール「それは……!強敵ですね……!」
ゾム「倒したらたぶん“手つなぐ”イベント開放されるで」
あなたの名前「あと3回ぐらいフラれたら童貞卒業やな」
エーミール「長い道のりですね……!」
──その日、3人のテーブルには笑いがあった。
恋は負けた。だが──戦いはまだ、始まったばかり。
【完】
童貞卒業計画 Episode.1
〜道のりは長い〜
\エーミールの次回作にご期待ください/












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!