返事を返さない俺に、鬼は苛々を募らせる。
すると、花魁の世話役らしき少女二人が、恐怖に震えながらも俺を庇おうとする。
「わ・・・蕨姫花魁、その人達は昨日か一昨日に入ったばかりだから・・・」
けれど、蕨姫は少女二人を睨み付けた。
その圧に負けて、へたり込む少女達。それを見兼ねた善逸が、蕨姫の方を振り向きながら、なんとか言葉を発した。
もう1人の花魁は蕨姫花魁を落ち着かそうとしている
すると、善逸の顔を見た蕨姫は、眉をひそめた。
さらに蕨姫の容姿に対する罵声は続く。
すると蕨姫は善逸から、部屋の散乱した様に目を移した。
そう言うと、蕨姫は、
泣いていた女の子の耳を掴み引っ張る。
元々、鬼である蕨姫の力は強いため、引っ張られている女の子の耳が、ミシッと音を立ててもげそうになる。
泣きながら許しを乞う女の子。
耐えきれなくなった善逸は動いた。
──ガシッ
睨み付ける蕨姫を、怯むことなく睨み返す善逸。
その目を見た蕨姫こと、鬼の堕姫は、善逸が潜入する二日ほど前に、蕨姫が鬼であることに気付き、問い詰めてきた女将のお三津の事を思い出した。
そう言って殺した女と同じくらい、善逸の存在が不愉快だった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。