第10話

🌼
5,700
2020/12/12 13:30 更新

返事を返さない俺に、鬼は苛々を募らせる。

蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
オイ、耳が聞こえないのかい

すると、花魁の世話役らしき少女二人が、恐怖に震えながらも俺を庇おうとする。



「わ・・・蕨姫花魁、その人達は昨日か一昨日に入ったばかりだから・・・」



けれど、蕨姫は少女二人を睨み付けた。







蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
は?だったら何なの?

その圧に負けて、へたり込む少女達。それを見兼ねた善逸が、蕨姫の方を振り向きながら、なんとか言葉を発した。


もう1人の花魁は蕨姫花魁を落ち着かそうとしている





善子
善子
「勝手に入ってすみません!部屋がめちゃくちゃだったし、あの子が泣いていたので・・・」
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
蕨姫、落ち着こう
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
( あら、タンポポだわ )

すると、善逸の顔を見た蕨姫は、眉をひそめた。

蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
「不細工だね お前、気色悪い・・・死んだ方がいいんじゃない?」
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
でも蕨姫。この子タンポポ見たいで可愛いじゃない?
さらに蕨姫の容姿に対する罵声は続く。
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
「何だい、
その頭の色!目立ちたいのかい」
善子
善子
「・・・っ」

すると蕨姫は善逸から、部屋の散乱した様に目を移した。
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
「部屋は確かに、めちゃくちゃのままだね。片付けとくように、言っといたんだけど・・・」
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
桜姫花魁 ( 花魁に化けた )
そうね…。

そう言うと、蕨姫は、
泣いていた女の子の耳を掴み引っ張る。



女の子
女の子
「ギャアッ!」
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
「五月蝿い! ギャアじゃないよ、部屋を片付けな!」

元々、鬼である蕨姫の力は強いため、引っ張られている女の子の耳が、ミシッと音を立ててもげそうになる。
女の子
女の子
「ごめんなさい、ごめんなさい、すぐやります、許してください・・・!!」

泣きながら許しを乞う女の子。
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
ちょっ

耐えきれなくなった善逸は動いた。


──ガシッ

善子
善子
...。
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
ぜん…。
善子
善子
…何?

睨み付ける蕨姫を、怯むことなく睨み返す善逸。
善子
善子
手、放してください!


 その目を見た蕨姫こと、鬼の堕姫は、善逸が潜入する二日ほど前に、蕨姫が鬼であることに気付き、問い詰めてきた女将のお三津の事を思い出した。

蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
蕨姫花魁  ( 堕 姫 )
『気づいても黙っておくのが賢い』

そう言って殺した女と同じくらい、善逸の存在が不愉快だった。



NEXT


プリ小説オーディオドラマ