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第11話

想う《中太》
114
2024/06/26 16:10
⚠︎︎15太 ← 15中
⚠︎︎中太














太宰治
あ"ぁ"もううるっさいなぁほんと!!!
ダンッ、と机を殴る音が執務室に響く。
日頃の不摂生で骨ばり、細くしなやかな太宰の拳が赤く染まっていく。
太宰治
なんで、なんで君はそう何時も僕の邪魔をするのさ!!
いつもの冷静たる瞳で、感情だけが叫ぶように蠢いているようで。
不甲斐なく、美しいと思ってしまった。
俺だけが、冷静沈着で軽薄短小な手前の、
妖麗な顔を歪めることが出来るだなんて。
中原中也
(…なんて贅沢なんだ、と思ってしまう俺は可笑しいンだろうな。)
太宰治
お………から……
中原中也
…あ?
太宰治
お願いだから、もう僕の邪魔をしないで。
くしゃ、と顔を顰めて。
吐き捨てるように。
それでいて何処か淋しそうに。
奥が見えない瞳を僅かに揺らしたその瞬間に、
重力に押し潰されたのかと勘違いしてしまうほど圧倒された。
 
勿論涙なんて流していなかったけれど、俺には太宰が泣いているように見えた。
太宰治
……ぇ、っ
頬に手を添えて目尻を舐めてやると、残酷な太宰とは想像もつかないような素っ頓狂な声を上げる太宰。
後ずさった距離を詰めるように足を踏み込めば、俊敏な動きで腕の間を縫って逃げるように退出した太宰の後ろ姿を目で追いながら思う。
中原中也
(俺って太宰のこと……)
好き、なのか…?




























( ¨̮ )
( ¨̮ )
お久しぶりです
( ¨̮ )
( ¨̮ )
お気に入り通知が来る度に書かなくちゃなーとは思っていたのですが、中々一歩踏み出せずにいました
( ¨̮ )
( ¨̮ )
今回は王道の中太でした
まだ恋心を自覚していない初心な2人を書けていたら幸いです。

アンケート

次回のカプ
中太
40%
乱太
26%
ドス太
19%
織太
16%
その他(テーマを添えてコメント欄へ)
0%
投票数: 43票
病み系,ほんわか,r18のいずれにするかは全くの未定です。
( ¨̮ )
( ¨̮ )
次回は投稿間隔を狭めたいですね(願望)

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