⚠︎︎15太 ← 15中
⚠︎︎中太
ダンッ、と机を殴る音が執務室に響く。
日頃の不摂生で骨ばり、細くしなやかな太宰の拳が赤く染まっていく。
いつもの冷静たる瞳で、感情だけが叫ぶように蠢いているようで。
不甲斐なく、美しいと思ってしまった。
俺だけが、冷静沈着で軽薄短小な手前の、
妖麗な顔を歪めることが出来るだなんて。
くしゃ、と顔を顰めて。
吐き捨てるように。
それでいて何処か淋しそうに。
奥が見えない瞳を僅かに揺らしたその瞬間に、
重力に押し潰されたのかと勘違いしてしまうほど圧倒された。
勿論涙なんて流していなかったけれど、俺には太宰が泣いているように見えた。
頬に手を添えて目尻を舐めてやると、残酷な太宰とは想像もつかないような素っ頓狂な声を上げる太宰。
後ずさった距離を詰めるように足を踏み込めば、俊敏な動きで腕の間を縫って逃げるように退出した太宰の後ろ姿を目で追いながら思う。
好き、なのか…?
アンケート
次回のカプ
中太
40%
乱太
26%
ドス太
19%
織太
16%
その他(テーマを添えてコメント欄へ)
0%
投票数: 43票
病み系,ほんわか,r18のいずれにするかは全くの未定です。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!