第15話

第十三話
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2022/09/12 16:50 更新
「っひ…うぇ…」


子供の泣き声がする…どこからだろう。

声のする方へ向かっていくとそこには泣いてうずくまっている1人の少年がいた。

そうだ、俺が暁に入って正式に入社を認められた日…あの日にあった少年だ。

市川薙「ねぇ…どうして泣いてるの?」

あまり刺激しないように優しく声をかける。

快斗「っ!な、泣いてない!!」

そうか、この子は泣いているところを誰にも見られたくなかったんだ。

市川薙「…大丈夫だよ。ここには俺しかいないし、君と俺は他人だ。だからさ、話してみてよ。君が今なんで泣いてるのか。」

俺はそっと、その少年の頭を撫でた。
少年は快斗、という名前らしい。その少年のお父さんは黒羽盗一という、マジシャンんだそうだ。そして、脱出マジックの途中に仕掛けをいじられてそのまま死んでしまったらしい。

快斗「父さんはっすごい人なんだ!かっこよくて、優しくて…どうして父さんは殺されなきゃいけなかったの!?!?どうしてよ!!!殺してやるんだ…父さんをこんな目に合わせたやつをみんな!!」


あぁ…この子も俺と同じなんだな。
俺と同じ、強い憎しみと悲しみを目に秘めてる。きっと、事故だと思われて処理されたのだろう。そのせいでこの少年は誰にも相談できずに1人で抱えてしまったんだ。

倭嘉「まだ…俺がいくらやってもクズは減らないんだな…。」

快斗「?、君は…」

市川薙「薙、俺は市川薙っていうんだ。」

快斗「じゃあ薙、薙はどうしてそんなに悲しそうなの?」

市川薙「…まだ、この世界には大人のせいで悲しみ、憎む子供が多いんだなって思って。」

快斗「…薙もそうなの?」

市川薙「うん。俺も母さんを殺されたんだ。母さんはヒーローみたいなカッコいい人なんだ。でも、母さんは仕事の時、仲間を庇って死んじゃったんだ。」

快斗「そっか…似た者同士だね。」

市川薙「そうだね…快斗、俺が君のお父さんを殺した奴に制裁を加えてやる。然るべき罰を与えるからさ、君は笑ってってよ。」

そうだ、こんな子供が抱いていい感情じゃない。俺は、俺がこの世界の穢れたものを全部引き受けるから、だからさ、この世界の子供達には笑っていてほしい。

快斗「いや…俺もやるよ。今すぐには無理だけど、きっと、絶対に俺も力をつけて奴らに復讐する!その時はさ、また、こうして会って…一緒にいてくれる?」

市川薙「……勿論。待ってる。(ニコ」

快斗「うん!」

そう言って快斗は帰っていった。
こうやって殺し屋だの、暗殺者だのが産まれていくんだろうな。

あの少年が俺のように人を殺すようになるのか、そう思うと俺は胸が痛くなった。


ピピピピピピピ

倭嘉「っあ…?」

スマホのアラームで目が覚める。
随分と昔の夢を見ていた。そう言えば、今快斗はどこにいるんだろう?殺しをやってないといいな…。

顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、俺はいつものようにバイトに向かった。





父さんが死んだ。

その知らせを聞いた時、俺は信じることができなかった。

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!

きっと何者かに殺されたんだ。そうじゃなきゃ、父さんが死ぬ訳がない!それもマジックで!

でも、周りの大人達は不幸な事故だの、マジックに失敗しただの、そんなことばっかりだ。俺は信じない、信じないからな!!



でも、母さんの前で泣くことはできない。だって母さんが一番悲しんでるから。ホントは俺が笑わせてあげなきゃいけないけど…それを出来るほどに俺に余裕はなかった。


快斗「父さん…っひ…うぇ…」

いつものように公園で泣いてると、後ろから見知らぬ少年から話しかけられた。

「どうして泣いてるんだ?」

俺は泣き顔が見られたくなかったのと少しの強がりで顔を隠したまま泣いてないと嘘をついた。

その少年は少し考えて

「…大丈夫だよ。ここには俺しかいないし、君と俺は他人だ。だからさ、話してみてよ。君が今なんで泣いてるのか。」

とても優しい声で言われたその言葉に、俺は全てを打ち明けてしまった。

その間もずっと、その少年が優しい眼差しで時々頷きながら聞いてくれて、俺はすごく嬉しかったんだ。

その少年も俺と同じで誰かに母親を殺されたらしい。少年は薙というらしい。彼は俺たちの代わりに復習してくれるといった。でも俺は、自分で復讐したいから、それまで待ってて欲しい。
そういった時、薙は優しく笑って待ってると言ってくれた。

その顔が、表情がすごく綺麗で、俺は恋に似た感情を抱いてしまった。きっと、これが初恋だったと思う。
だから、あの日、再会した時、一目で薙だって分かったんだろう。

だから、早く思い出してよ全部。そしたらあの約束通り、一緒にいような…。





主)腐(BL)らせないっていったのにそうなってしまって誠に申し訳ありません。どうしても作者のBLの血が騒いでしまいました…。ここから恐らく、快斗→主人公のカプになるので地雷の人は回れ右でお願いします…本当にすみませんでした…。

市川薙「おはようございまーす。」

榎本梓「あ、おはよう!薙君!朝早くからありがとね、」

市川薙「いえいえ!俺は全然大丈夫ですよ!」

榎本梓「っ!いい子!!本当にいい子!!」

市川薙「あはは…じゃあ俺は店の前の掃除してきますね!」

榎本梓「あ、お願いね、寒いから上着着てね?」

市川薙「わかりました!」



江戸川コナン「あ、市川お兄さん!」

市川薙「ん?あ、コナン君。おはよう!」

江戸川コナン「おはよう!朝からお疲れ様です!」

市川薙「いーえー。俺学校行ってないから暇なんよね〜w」

江戸川コナン「あはは…、じゃあ僕これから学校だから!」

市川薙「うん、行ってらっしゃい!」


市川薙「まぁ…こんなもんかな…。」


ん?待てよ?今の時間って…6時半じゃんか。こんな時間から学校?
……なんかあんのかな?まぁいっか。


市川薙「終わりました〜。」

榎本梓「あ、お疲れ様!ほら、早くこっち来て!体あっためないと!」

市川薙「ありがとうございます。あの…今日って小学校で何かあるんですか?さっきコナン君に会って…。」

榎本梓「え?何もないはずなんだけど…。」

市川薙「……少し様子見てきていいですか?」

榎本梓「うん…気をつけて!」



市川薙「こっち…かな?」

どこに行ったのかのあたりをつけながらあたりを見渡していると、ある屋敷についた。


物陰に身を隠し、息を殺していると

江戸川コナン「ねぇ、そこで何してるの?」

……俺に話しかけてきたのか?

市川薙「あれ、バレてた?」

江戸川コナン「当たり前じゃん。隠れもしないでついてきて…。」

市川薙「はは…で、コナン君はこんなとこで何を?」

江戸川コナン「新一にいちゃんの家に今、昴さんって人がいるんだけど、その人に会いにきたんだ。」

市川薙「え?新一って…工藤新一のこと?」

江戸川コナン「そうだけど…」

市川薙「工藤新一って君だろ…あ。」

やらかした。つい声に出てしまった。そうだ、今この子は工藤新一の従兄弟として暮らしてるんだった。

江戸川コナン「お兄さん…それ…」

市川薙「あっと、そろそろポアロに戻らなきゃなぁ〜…」

コナン君からの疑いの目に耐えられず、俺はその場から足早に立ち去った。

江戸川コナン「あ!!まっ…って、もういないし…あの人…やっぱり怪しい…」





市川薙「っあぁぁぁぁ…」

怖かった…どうしてこんな朝早くからここまで神経すり減らさなければいけないんだ…。
ふらふらと道を歩いていた時…

キキキキ

市川薙「え…?」

ぼーっと歩いていたせいで信号が赤になっていることに気づかなかった…!
気づいた時にはトラックは目の前に迫っていて…

死を覚悟した時、腕をこれでもかというくらいに強く引っ張られ、トラックが目の前を通り過ぎいていった。

市川薙「っえ…?あ、」

誰だろう、後ろを振り返ると…

安室「何しているんだ!!」

市川薙「あ、ゼロ…じゃなくて安室兄ちゃん…。」

そこにはゼロさん、もとい安室兄ちゃんがいた。

安室「怪我は?」

市川薙「し、してな…っ…いです…」

否定しようと立ち上がった時、右足首に鋭い痛みが走った。
流石に誤魔化せなかったらしく、安室兄ちゃんは顔を顰めると、軽々と俺を持ち上げた。

市川薙「!?、ちょっ!?」

安室「足を痛めたんだろう?さっさと病院行くぞ。」

市川薙「そ、それは…」

安室「わかってる。安心してくれ、公安の息のかかった病院に連れていく。」

市川薙「え"、また行くの?」

降谷「行くぞ?」

市川薙「はい…」




諸伏「あれ?ゼロ…って薙君!?!?」

市川薙「あ、ヒロさん…。おはようございます。」

諸伏「おはよう…って、どうしたんだ?」

降谷「交通事故で薙君が足を怪我したんだ」

諸伏「んな!?早く病院に…」

降谷「僕はこれからポアロに行かなきゃいけないからヒロに頼んでいいか?」

諸伏「あぁ、任せてくれ。」

市川薙「まっ!俺も行きます…」

降谷&諸伏「いいわけないだろ!!
            でしょ!」

市川薙「あ、はい…。」


その後、諸伏さんに引き渡された俺は病院に連れていかれ、過去にできた傷も含め、全て手当てされた。

市川薙「関係ないとこまで手当てしなくても…」

諸伏「薙くん?」

市川薙「なんでもないです…。」

諸伏「はぁ…君がこの仕事を続けるっって言うから止めることはしないけど…怪我はあまりしないでくれ。体をもっと大切にしてくれ…。」

市川薙「失礼ですね、まるで俺が体を大事にしてないみたいじゃないですか。」

諸伏「はぁ…まぁいい。それより、薙くん。今日暇かい?」

市川薙「え?本当は任務があったんんですけど…このケガじゃ行けそうにないので別の人に頼んだので暇ですね。」

諸伏「よし!じゃあお兄さんと遊園地に行こう!」

市川薙「え"…それは…。」

諸伏「そうと決まれば!!早速準備をしよう!」

市川薙「え、!?ヒロさん外でちゃ…」

諸伏「変装するから大丈夫っ!ほっら着替えてくるから待っててねー」

市川薙「え、えぇ…。」




諸伏「お待たせー、ごめんね、思った以上に時間がかかっちゃった。」

そこにはいつものスーツ姿とは違って、とてもラフな格好をしたヒロさんがいた。

市川薙「とても似合ってますね。」

諸伏「そう?ありがとね〜。よし、じゃあ行こうか!」

市川薙「はい。」



車で移動中…

諸伏「そーいえば薙くんってアルバイトでゼロのこと安室兄ちゃんって呼んでるんだって?」

市川薙「え、なんでそれ…」

諸伏「ゼロから聞いたー。そんでさ、俺の事もにいちゃん付で呼んでみてよ。」

市川薙「はぁ…なんでまた。」

諸伏「いいじゃんか〜。減るもんじゃないし。」

市川薙「じゃあヒロさんは全裸でゼロさんの前で裸踊りできますか?減るもんじゃないですけど。」

諸伏「うーん、ゼロの俺に俺に対する信頼が減りそう。」

市川薙「はぁ…まぁいいですよ。減るもんじゃないですしね。」

諸伏「やったね。って…あれ毛利さんじゃない?」

市川薙「え…まじですか?終わった…。」

諸伏「え、君なんかやらかしたの?蘭さんにセクハラした?」

市川薙「いえ…毛利さんではなくコナンくんに少し…はは…。」

諸伏「あぁ、あの子ねぇ…。まぁ大丈夫でしょ。ほら、ホテルに入ってく。」

市川薙「本当ですね。あっぶね。」

諸伏「ほらほら、そんな顔してないで、今日は全力で遊びましょーね。」

市川薙「ですねぇ…。」


諸伏「ふぅ〜ついたぁ!」

市川薙「お疲れ様です。今…9時なんですね。あれ、俺交通事故にあったはずなのに何故こんなに早いんだろう。」

諸伏「君の朝が早いんだよ。」

市川薙「そうなんですかねぇ…まぁいっか。」

諸伏「じゃあこれつけて。」

市川薙「ん?これなんですか?」

諸伏「腕輪型の無料パスだってさ。」

市川薙「成る程…。」

諸伏「これがあれば何回でも再入場できる優れもの。」

市川薙「なんでそんなの持ってるんですか。」

諸伏「秘密〜。」

市川薙「職権濫用…?」

諸伏「違うから!」



市川薙「ここですかね、受付。」

諸伏「だね、早く行こっか。」

毛利蘭「あれ?市川さん?」

市川薙「っえ?毛利さん…毛利さんも来てたんですね…。」

毛利蘭「はい!お父さんの仕事の付き添いできたんですけど、その依頼人の人がこれをくれて。」

そう言って毛利さんは腕輪型のパスを見せてくれた。

市川薙「あ、俺も持ってますよ〜。」

毛利蘭「あ、本当だ!市川さんは誰かと来てるんですか?」

市川薙「あ、はい。ヒロさ…ヒロ兄ちゃんと…」

諸伏「こんにちは、(ニコ」

なんでこの人はこんなに上機嫌なんだよ…!!

市川薙「ヒロ兄ちゃん…」

毛利蘭「あ、お兄さんですか?」

市川薙「えぇ…兄です…。」

諸伏「初めまして、薙の兄の市川ヒロです。」

毛利蘭「あ、毛利蘭です。そっか…呼び方変えないとわかりづらいですね…ん〜、じゃあ薙君とヒロさんですね。」

市川薙「あ、そっか…じゃあ俺も蘭さんって呼びますね。」


元太「そのにぃちゃん誰だ?」

歩美「あゆみ知ってる!ポアロに新しく来た人でしょ?」

市川薙「よく知ってるね。そうだよ、よろしくね。」

光彦「そうなんですね!じゃあお兄さんも一緒に回りましょうよ!」

市川薙「え?それは…」

諸伏「俺はそれでもいいよ。」

市川薙「じゃあ…一緒に回らせてもらおうかな。」

元太「いいぜ〜!兄ちゃん名前は?」

市川薙「俺は市川薙、こっちが市川ヒロ。」

歩美「薙さんとヒロさんね!私は歩美!」

元太「俺は元太!」

光彦「僕は光彦です。」

毛利蘭「自己紹介はほどほどにして、早く入りましょう!」

少年探偵団「はーい!!」

市川薙「ヒロ兄ちゃん、こんなことになってすみません…。」

諸伏「ぜーんぜん?人数なんて多い方が楽しいでしょ。それと、
敬語もなくそっか。」

市川薙「あ…わかった…。」

諸伏「ん、それでいい。」

そうヒロさんは俺の頭を撫でた。

灰原哀「ねぇ、あなたたちここに来てて大丈夫なの?」

市川薙「っえ?えっと君は…?」

灰原哀「あら?貴方とは面識があるはずなんだけど…気のせいなのかしら?」

え、今時の小学生ってこんなに大人びてんの?怖ぁ…。

諸伏「薙、この子知ってるの?」

市川薙「いや…それが全然…。」

灰原哀「シェリー。」

市川薙「え…?」

灰原哀「そっちの人も、名前くらいは知ってんじゃないの?スコッチさん?」

諸伏「マジかよ…このこと、誰かに話したりしてないかな?」

灰原哀「安心して、江戸川くんにも言ってないわ。」

市川薙「よかったぁ…怖かったわ。」

灰原哀「でも、貴方がここにくるのは意外だったわ、ヴァン。」

市川薙「そっちこそ。俺はそれで呼んでもらってもいいけど…君はバレたらまずいんじゃない?」

灰原哀「そうね…まぁ哀ちゃんとでも呼んだら?」

市川薙「じゃあ哀ちゃん。このここで固まってるお兄さんどうにかして。」

灰原哀「無理ね。」

市川薙「ほら、ヒロ兄ちゃん、早く行くよ!」

諸伏「あ、あぁ…いや、びっくりして…。」

市川薙「これ聞いていいのか分かんないんだけどさ、明美さんを救ってって言われて救ったけどさ、あの後何があったの?」

灰原哀「お姉ちゃんを助けたのがバレて殺されかけたの。で、寸前のとこでAPTX 4869を飲んで奇跡的にっ助かったのよ。」

市川薙「あぁ、例のやつね。」

灰原哀「あなた、あの後すぐいなくなっちゃうんだもん。お礼くらい言わせてよね。」

市川薙「あはは…ごめんごめん。」

諸伏「ちょ、どー言うこと?状況が掴めないんだけど。」

市川薙「言っていい?」

灰原哀「いいわよ。その人も私と同じようなものだから。」

市川薙「同じようなものって…まぁ説明するね。哀ちゃんと会ったのは最近だね。まぁシェリー名義の依頼だったんだ。その内容は、組織の奴らにバレないようにお姉ちゃん、もとい明美さんを連れ出すこと。それで哀ちゃんと会ったんだ。」

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