今日はやっと
加賀美さんに、〝あのこと〟を、
〝両親の離婚後の事〟について話せる
ずっと、悩んでたんだ
最近、あの人達は上手く行ってないし、
それに、家にあまり居ない
なにより、ちょっと前、お父さんの部屋で離婚届を見つけた
嫌、凄い個人的に楽ではあるんだけど
流石に悩んだ
でも、加賀美さん達と一緒にいて
沢山、希望と夢を貰ったから
それだけは、ぜったいに叶えたい
だから、ちゃんと頑張った
一旦、切り替えよう
悩んでもしょうがないし
今日だけは、ミスしたくない
メイクはバッチリ、服もバッチリ、そして
表情もバッチリ、完璧だ
もう、これ以上困らせない
まだ、待ち合わせまで1時間くらいあるけど
着いたあとに、適当に時間潰してればいっか
ガタン
この音、お父さんの部屋から?
なにかあったのかな
一応、通報だけしとくか?
嫌でも、これで違ったらめっちゃやばいな
確認だけ、しとくか?
少しだけ隙間が空いている扉の中をみた途端
思わず、
自分の手で、口を塞いだ
その姿をみたらそうせざるを得なかった
お母さんが、お父さん部屋にあった離婚届を、
見つけてしまったのだ
咄嗟に死角側の壁に隠れた
だって、もうあの人は
〝お母さん〟では無かったから、
あの人は、ただ〝愛した人に捨てられた女〟になったんだ
いつもの様子から、彼女の依存ぶりは身にしみている
だから、ただ僕の頭の中を恐怖が埋め尽くした
はやく、この場から離れてしまおうと思い、足を動かした
だが、一つ想定外だったのは
僕の足元に、
彼女があさったであろう、
お父さんであった、男の私物が広がっていたことだ
そして、不幸にも僕の足にそれがぶつかり
大きな物音を、立ててしまった
とても、当然であり
何より、非情な事に
彼女の耳にその音が届かない筈が無かった
流石に、こんな姿、見たくは無かった
そんなこと言われたくは無かった
皮肉な事にも、実の親なんだ
こんな事を言われたら傷付くに決まってる
何で、
何で、
何で、そんな事言われなきゃいけないんだよ
誰か、助けてよ
おねがい
助けて、加賀美さん
加賀美Side
ぷるるる、ぷるるる
プツッ
頼むから、
間に合ってくれ












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。