第2話

ハギーワギー
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2025/06/29 08:00 更新
私の前にハギーワギー人形がまるで私を迎えるように
鎮座していた。
ハギーワギー人形とは当時ポピープレイタイム社で
一番人気を誇っていた人形だ。
ハギーワギーは一度抱きつくと離れない。
そう言われるほど人気だった。
でも私はこの人形が人を襲っているところを
目の当たりにしシャッターを閉めてしまったのだ。
でもそれは間違いだった。
きっとこの人形は私を恨んでいるだろう。
そしてここで反省しても許されることではない事だと
わかってるけど人形の近くに置いてある
名前の書いてある積み木の上に食べ物を置いておいた。
せめて私が反省しているのを示すために。
お、いつも他の社員に開けてもらってたシャッターだ。
確かここからさらに奥に行けるんだっけ。
と思いグラブパックで開けようとすると
バチっと音を立てて電気が消えてしまった。
あなた
ショートしちゃったか…
電源を付けに行かなきゃいけないな。
そう思ったので電源をつけにいくことにした。
確かエンジンルームで電気つけられたはず…
エンジンルームは丁度扉の隣の部屋にあった。
部屋のドアノブを捻るがガチャガチャいうだけで
全く開かない。
鍵がかかってる。
でも鍵なんてあったっけ?
ここの鍵は閉めた覚えがないしわからないな。
と思いふとハギーワギー人形を見ると
手には鍵が握られていた。
あれ?鍵なんて持ってたっけ?
私が気づかなかっただけなのだろうか?
…とりあえず貰っておこう。
グラブパックで狙いを定めて取ろうとするが私は昔からグラブパックを扱うのが苦手だったので
なかなか鍵が取れなかった。
10分後
やっっっと取れた。
さてこれはどこの鍵なんだろう。
都合よくエンジンルームの鍵だったりして…
と思い鍵を刺すと思い通りに鍵が回り、
ドアノブを捻ると開いた。
本当に都合よくここの鍵だった…
と思いエンジンルームの中に入ると電柱のようなものが沢山あり、普通の人ならなんだこれってなるだろう。
プレイタイム社で電源をつけるためには
パズルを解かなくてはいけないのだ。
誰がなんのためにパズルにしたのかは知らないが
昔っからそうだった。
サクサクっとパズルを解いて電源を復旧させ
ハギーワギー人形が鎮座している広場に戻る。
しかしおかしなことがあった。
ハギーワギー人形がいない。
あのハギーワギーは本物だったのかもしれないと思うと
冷や汗が止まらない。
でももし本物だとしたら何故襲ってこなかったのか
わからない。
さらに気づいたことがある。
私はHと書かれた積み木の上に食べ物を置いたのだが
それがなくなっていた。
彼は私の気持ちを受け取ってくれたのか、
はたまたお腹が減っていて食べただけなのか。
私にはわからなかった。
でもそれ以上に彼がまだ生きている
という事が嬉しかった。
でもなるべく鉢合わせないようにしよう。
食べられるかもしれない。
私はシャッターを開け、さらに奥に進んだ。

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