本部へ帰って、報告書の作成をしていた時
まるで報告書を覗き込むように隣に座った、
星導とカゲツ。2人は俺が任務を失敗したのを
見たことがない、 と目を見開いている。
俺、そんなに強くないんだよなぁ… でも、
守りたいものは守れたし、いいか。
本部へ報告書を提出したから、みんなの元へと
帰ろうとした時 ……
俺を見定めるかのような、鋭くて強い眼差し。
まるで、俺の行いを全て知っているような…
そんな眼差しをしている。
駄目だ、焦るな。動揺を隠せ、俺。
平静を装って、震える声を飲み込んで答える。
小柳はきっと、全て分かっているんだ。おれが
ヒーローなのに敵を逃したことも、
敵の存在を消したことも。全部お見通しなんだ。
でも、ここで本当のことを言ったら?
折角逃したあなたは、どうなってしまうんだろう
″ お前のことは全てわかる ″
と言っているみたいな、誇らしげな笑みを
浮かべて俺を見てきた小柳。
俺は悟った。こいつに隠し事はできない、って
どうせ隠してても、バレてしまうなら
少しでもあなたを守れるような選択肢を選びたい。
俺が恐る恐る小柳に目を向けると、
何だか悲しそうで、嬉しそうな複雑な表情を
浮かべていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!