お父さんとお母さんの夢...
確か、私もまだ小さくて..あまり、良く覚えていない...
大事な事だったはずなのに。
忘れちゃいけないはずなのに。
記憶が流れる
***
お父さん..そうだ、これはお父さんの声だ
力強いけれど、どこか柔らかい声
この声はお母さん
とても暖かくて、心地が良い..
そんな2人の声に私はこう答える
私の中で流れる記憶。
それはいつもここで途切れる
優しく浮かべてくれている笑顔も、ここでは全く見えなくなってしまう
なんでなんだろう...
そんな時、ふとこの言葉が頭で響いた
「空龍さんなら、ユキトとパヒューマーの夢、叶えられそうだね」
出久くんの言葉だ..
叶えられる、か...覚えてもいないのに、できるのかな。。
ッ!そうか、私は叶えようとしていなかった
思い出そうとしていなかった
気持ちが、なかったから..弱かったから..
だから、、私は夢を繋げなかったんだ
叶えたい..私は叶えてみせたい..
お父さんとお母さんが私にくれた大切なもの..
叶えたい..
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それが、お父さんとお母さんの夢...
まだ物心が付いたばかりの私は、ヒーローという言葉こそ知っていたものの、救うことの難しさや命の尊さなんて、理解は浅かった。
だけど、今なら分かるよ...
私、なんとなく覚えていたのかな...
お父さんやお母さんに「笑顔を絶やさないで」と言われていた気がした..だから、私はずっと笑顔を浮かべたんだよ。
辛いから笑おう。
目の前に守りたいものがあるから笑おう。
楽しいから笑おう。
私、お父さんとお母さんの夢、叶えたい。
いや、叶える。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。