葛葉side
朝、集合したときからなんか感じた。
「 こいつ、疲れてんな 」って。
なんか、全体的に萎れてるっていうの?
よくわかんねーけど、普通じゃなさそうだなってことぐらいしか俺にはわかんなかった。
階段登ってる時、あれは意外だと思った。
たぶん、俺達より若いんだろうけど
がち体力無いなってw
楽屋につく頃はへっとへとでさw
入るやいなや椅子に倒れ込むように座るあなた。
ペットボトルと渡す叶。
ガチで疲れてるんだろう。腕が若干震えたように見えた。
「 トートバックごときで山なんか登れないわ笑 」そう突っ込まれる。
そんな話をしながら机のセッティングやら、椅子の準備やらをしていた。
ガチャ🚪
叶の問いに、1拍おいてあなたは微笑んで答えた。
俺にはそうは思えなかった。
こめかみ辺りがピクッと痙攣しているのが見えた。
こいつの笑顔は作り笑いだろうな。
直感的にそう思った。
いままで、照明の位置的に影になってあんまり見えなかったけど、
あなたが座り、照明の明るさで浮き彫りになる目の下のくま。
血色の薄い唇に、肌の白さがより一層目立って見えた。
…寒いのか?
温かいコーヒーしか無いと俺は嘘をついた。
寒い?なんて聞いたらこいつは気を遣って「 大丈夫だ 」なんて嘘をつくことが想像できたから。
あなたがトイレに席をたったタイミングで、叶に声をかけた。
案の定、思っていたことは同じだった。
あなたは、ライバー内でも噂になるほどの生粋の甘党だった。
一ヶ月前の配信では、一キロのクリームにカラースプレーやチョコレートソースをふんだんにかけて
一時間も満たぬ間に見事に完食したそうだ。
それは叶も知っている。だから、俺達は"おかしい"と思ったんだ。
シュガースティックを取りに給湯室に戻っている間に、
あなたは砂糖も、ミルクも入っていないブラックコーヒーを飲んだということになる。
そしてハッと息を呑む叶。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!