戦乱の世が明けることはなく、寧ろ強まるばかり_
⋯まさか、その原因になっているのが私なんて⋯そんなことは知る由もなかった
訳も分からず父上に腕を引かれ、気付けば迷いの森と恐れられている場所の近くまで来てしまった
足を踏み止め、上がる息を整えればそう伝える
父上の瞳に涙が溜まっているのが分かる⋯それほどに深刻なことが起きたのだろう。今は無理に聞いて困らせるより、父上の言うことを聞くのが私のやることだ
すると父上は、命を救ってもらっただけではなく、忍術を教えて頂いた恩師であり師匠がいると⋯そしてその方が私を救ってくれると、
信用が置ける忍者に案内を任せてあるから、一緒にそこへ向かってくれ、とのこと
話を聞き終えた後、父上が同行しないのは何故か⋯引っかかり説得しようとすればその瞬間、意識を失ってしまった
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多くは語らず、主の覚悟と命を受ける
大事に姫を抱きかかえその場を後にし、足早に主の恩師の元へと進んでいく
⋯本当は自らの手で守りたい、それは皆同じだ
あなたのことは幼い頃⋯いや、赤子の頃から知っている。大事だからこそ、今は預けないと_
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_高木の上から忍術学園が見える
もうこの腕から、この子を送り出さねばならんとは
腕の中で未だに眠る可愛らしい姫の頬を優しくペチペチッと叩けば、小さい声と共に寝起きの潤んだ瞳が開く
パチパチとこちらを不思議そうに見る様子は小動物のようで可愛い
_意識を失う前を思い出し、ガバッと飛び上がる
父上の姿が見えない⋯それにここはどこ?見覚えのない森、そして周りには昔から知っているタソガレドキ忍者達
⋯正義感が強く、いつでも民のために全力を尽くす格好良い父上。そんな父上が、あの戦場に戻らない訳がない
分かっていた⋯でも分かりたくなかった⋯!
でも泣いてたってどうしようもない!今はとにかく前を向かないと⋯私は、生きなければならない
両手で頬をパンッと叩き、涙が溢れないよう目を擦る
昆奈門はそんな様子に一瞬驚いた顔をしたが、クスッと笑って返事をしてくれた
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移動の最中、思ったより早い移動に口を開けていると舌を噛みそうになったり、落ちるんじゃないかと昆奈門の首を絞める勢いで抱き着いてしまった
⋯頭上から苦しそうな声が聞こえて、謝りながらもギュッとする腕を緩めることはできない
昆奈門の声にチラッと前を見れば、忍術学園という表札がついた大きな建物が見えた
⋯忍術学園、ここが父上の恩師がいる場所
昆奈門から降ろしてもらい、入口の方へと向かえば明るい声で声をかけられた
ボソボソと話している二人にサインしないと入れないんだから早くしなさい!と急かす
サインを書いたあと、事務の小松田さんに案内してもらい学園長先生という方の元へ向かうことになった
そして案内された部屋の襖を開け、頭を下げ挨拶をするとあなたの名字⋯と、私の苗字を聞くなり頭を捻る
おお!と何かを閃いたのか手をポンっと叩く
私が口を開きかけた時、それを阻止するようにパッと昆奈門が前に出て代わりに語ってくれた
昆奈門⋯私が父上のことを言いづらいだろうと気遣ってくれたんだ⋯
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姫であることはバレては危険なのは知っていた、女だとバレないようにすることでここに置いて頂けるなら⋯
学園長先生に頭を深々と下げてから、後ろを向き昆奈門達に伝える。会えないのは寂しいな⋯なんて思いながら、
すると昆奈門はポンッと子供をあやすように私の頭を撫でると、優しい笑顔で、
と、一言返事をくれた
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忍術学園の入口まで見送りをしに一緒に行く
二人は先にサッと森の中へ姿を消す
そして昆奈門が私の方へくれば、跪き手の甲へ口吸いを、
今できる全力の笑顔で昆奈門達を見送る
_さて、これからこの場所⋯忍術学園で私は過ごしていく。何事もなければいいと願いながら⋯











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。