グラウンドの喧騒の中、私たちの騎馬は冷徹に、そして確実にポイントを稼いでいた。
他クラスの騎馬が私たちのハチマキを狙って突っ込んできても。近づくことすら叶わない。
骨抜が個性の「柔化」を発動させると、突っ込んできた他クラスの足元のコンクリートが瞬時に泥の沼へと変貌する。
ずぶずぶと足を取られ、バランスを崩してパニックになる敵チーム。
そこへすかさず円場が『空気疑固』を重ね、敵の背後に目に見えない空気の壁を生成して退路を断つ。
完全に動きを止められた哀れな獲物たちを、物間がニヤニヤと歪んだ笑みで見上げた。
奪ったハチマキを首にかけ、私はフンと鼻で笑った
骨抜の泥、円場の空気の壁、そして近づいた攻撃は物間と私の『Wカウンター』が待っている。
完璧な役割分担。
A組の男子たちと組むよりも、よっぽど効率が良くて頭が響かない。
けれど、そんな私たちの『要塞』を、力任せにぶち破ろうとする理不尽な足音が近づいてきた。
前方の泥の沼と、手のひらの爆風による強引な跳躍で飛び越え、爆豪の騎馬が凄まじい勢いで突っ込んできた。
爆豪の目は血走り、完全に私と物間だけをロックオンしている。
身内である私にすら一切の手加減はなしで、爆豪が掌に莫大な熱量を溜め込んでいく。
その凶暴な光景を見つめながら、私は静かに、けれど確実に迎撃の体勢を整えた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。