と少し嫌そうに私のスマホを覗いてくる遼。
そう返事すると静かに照れる彼。そんな姿が可愛くて、愛おしくて、撫で回したいくらい。
今日はどうやらnct wishのライブの当落日だったらしい。つい先程当選メールが来て把握した。
感情が高ぶりながらりょうに言うと
さっきまで私にべったりだった彼はそっと私から離れ自分の部屋へ行ってしまった。
その後を追わなかった私は後悔する羽目になる。そんなことも知らず一人で舞い上がっていた。
ryo side
最近不安になることが沢山ある。
といっても全部あなたのニックネームのことやけど。
あなたのニックネームがライブに行ってからスマホケースに入っていたはずのりょうとのプリクラはあのシオン...さんのトレカに変えられて。
ロック画面だってホーム画面だってりょうとの写真でいっぱいやったのに全て変えられていて。
正直うんざりだった。
りょうだけがあなたのニックネームのこと好きなんやないかって。
心配で、不安で押しつぶされそうになった。
りょうだけを愛してほしかった。
ryo side end
「別れよ」
そう告げられて早二ヶ月がたった今、いまだに彼のことが吹っ切れていない。
いわゆる未練タラタラってやつ。
別れてからオタクをすることがトラウマになってしまいグッズや動画も一切見なくなった。
全部自分に非があることはわかっている。
失って大切なことに気づくことを初めて思い知らされたと思う。
熱気がこもっている部屋を抜け出しマフラーを適当につけ外の空気を吸いに行く。
それと同時に雪が降ってきた。まるで気を利かせているようにね。
自分の心でつぶやき冷えた手を息を吐いて温める。
冷えてる手を温めてくれるそのぬくもりはもう無い。
遼、元気にしてるかな。
「元気にしてるよ」って私の目の前に現れてくれたらいいのに。
「そのマフラーめっちゃ似合ってるやん、かわいい」って慣れてない手つきで頭を撫でてくれたらいいのに。
「寒いね」って笑いながら抱きしめてくれたらいいのに。
また「大好きだよ」って言い合えたらいいのに。
そんなふとした瞬間は遠い思い出へと変わっていった。
「あなたのニックネーム、久しぶり」なんて連絡が来ていることも知らず
雪が降り注ぐ寒さに包まれた夜一人涙を流した。
end
リクエスト待ってます♪












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!