第14話

ryo
2,751
2025/09/09 15:00 更新



ryo
またみてんの、えっとあのー

と少し嫌そうに私のスマホを覗いてくる遼。
あなた
シオン。nct wishのシオンだよ
ryo
あーそうシオン。
あなた
これ何回目ー?愛しの彼女の推しの名前ぐらい覚えとかなきゃ。
ryo
愛しの彼女の推しだからこそ覚えたくないねん。それ一周回って浮気やからな
あなた
浮気じゃないし。りょうが一番だもーん

そう返事すると静かに照れる彼。そんな姿が可愛くて、愛おしくて、撫で回したいくらい。
あなた
え?!!ちょっとまって!!!
ryo
んーなんや次は

今日はどうやらnct wishのライブの当落日だったらしい。つい先程当選メールが来て把握した。
あなた
ねえやばい!!ライブ当たったんだけど!?!

感情が高ぶりながらりょうに言うと
ryo
......ふーん、良かったやん

さっきまで私にべったりだった彼はそっと私から離れ自分の部屋へ行ってしまった。
その後を追わなかった私は後悔する羽目になる。そんなことも知らず一人で舞い上がっていた。


ryo side

最近不安になることが沢山ある。
といっても全部あなたのニックネームのことやけど。
ryo
なああなたのニックネーム。最近あのアイドルばっかに気取られ過ぎやない?
you
えぇ〜、そうかな
ryo
うん。もうちょっとりょうとの時間大切にしてよ。
you
...ごめん


あなたのニックネームがライブに行ってからスマホケースに入っていたはずのりょうとのプリクラはあのシオン...さんのトレカに変えられて。
ロック画面だってホーム画面だってりょうとの写真でいっぱいやったのに全て変えられていて。

正直うんざりだった。
りょうだけがあなたのニックネームのこと好きなんやないかって。
心配で、不安で押しつぶされそうになった。







りょうだけを愛してほしかった。





ryo side end

「別れよ」

そう告げられて早二ヶ月がたった今、いまだに彼のことが吹っ切れていない。
いわゆる未練タラタラってやつ。

別れてからオタクをすることがトラウマになってしまいグッズや動画も一切見なくなった。
全部自分に非があることはわかっている。
失って大切なことに気づくことを初めて思い知らされたと思う。

熱気がこもっている部屋を抜け出しマフラーを適当につけ外の空気を吸いに行く。
それと同時に雪が降ってきた。まるで気を利かせているようにね。



あなた
初雪かぁ...

自分の心でつぶやき冷えた手を息を吐いて温める。
冷えてる手を温めてくれるそのぬくもりはもう無い。

遼、元気にしてるかな。
「元気にしてるよ」って私の目の前に現れてくれたらいいのに。
「そのマフラーめっちゃ似合ってるやん、かわいい」って慣れてない手つきで頭を撫でてくれたらいいのに。
「寒いね」って笑いながら抱きしめてくれたらいいのに。






また「大好きだよ」って言い合えたらいいのに。

そんなふとした瞬間は遠い思い出へと変わっていった。






「あなたのニックネーム、久しぶり」なんて連絡が来ていることも知らず
雪が降り注ぐ寒さに包まれた夜一人涙を流した。








end














リクエスト待ってます♪

プリ小説オーディオドラマ