突然ばぁう先輩は話を打ち切り私の方を向いた。
そう私の目には沢山の大粒の涙が流れていた。
するとばぁう先輩は何も言わずに私を抱きしめてくれた。
その声色は凄く優しかった。
ばぁう先輩はなんて優しいんだろうと思いながら私はばぁう先輩の胸の中で沢山泣いた。
私はその時は気づかなかった。ばぁう先輩がしゆん先輩から私の事を隠すようにして抱きしめてくれていた事を。
しゆんside
でも少しばぁうの方に歩き出した直後。
急に由莉の足が止まった。
この時俺は知らなかった。
その女の子があなたの下の名前って事。
そしてこのことをきっかけにあなたの下の名前と少し距離が遠ざかってしまったことを。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!