いつも通り、ぴよぴよと鳥のさえずりが聞こえる頃に起きる私
隣には2年前に結婚したマフィアのボス、風楽奏斗
私はまだ寝ている奏斗の顔を愛おしく撫でてから
ベットから起きようとする
そういえば、今日から奏斗出張だったよな
胃がムカムカとし、吐き気がしてきた
私の喉の奥から嗚咽が出てくる
昨日まで大丈夫だった部屋の匂いがなぜか臭く感じ
私は口を抑えながら急いで部屋を出る
匂いには敏感じゃないのに…
不思議に思ったとしても、吐き気は止まらない
奏斗が音で起きないように優しく部屋のドアを閉めると
私はドアを背に、その場に座り込んだ
昨日は奏斗と一緒に食事をしたから
変なものを食べたとしてたら奏斗も同じようになるはず…
料理は全てシェフに頼んでいるとはいえ
今までここで食事をしたものでお腹を壊したことはなかったし…
私は、これは体が異常を訴えているのかもと思い
医療室に直行する
どうか、自分の健康を願って
成瀬さんから聞かれたその質問で全てが分かってしまった
その質問の意図、なぜ聞いたのか
私の体の検査で何が見つかったのか
なぜ不調だったのか
私は頭が混乱しながらもその問いに答える
嬉しい、その言葉が私の頭でぐるぐると回る
はっきり聞こえたはずなのに
成瀬さんにもう1回聞きたくなるほど、私は喜んだ
私は自分のお腹を優しく擦りながら成瀬さんに話しかける
信じられない
まさか奏斗との子供を産めることになるなんて
私の心は踊っていた
これから奏斗と過ごす毎日は、今までの毎日より
より一層充実したものになるだろう
というか子供ができるってどんな感覚なんだろうな
つわりとか陣痛大丈夫かな
なんてありふれた妄想ばかりして浮かれていた私
奏斗はこのことを知ったらどんなリアクションするのかな
多分、というか絶対喜んでくれるんだろうな
なんて考えながら成瀬さんの提案を受け入れる
もしあの時奏斗が1日でも早く出張から帰ってきていたら
妊娠と分かるのがもっと早かったら
未来は変わっていたのかもしれない
過去編意外と長くなるかもしれない🤚💦













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!